2024.7.3 校則の見直し
- 公開日
- 2024/07/03
- 更新日
- 2024/07/03
校長室より
「生徒指導提要」というものがあります。これは、文部科学省が発行する初等教育・中等教育(小学校、中学校、高等学校)における生徒指導に関する基本書で、生徒指導の意義や留意点などの理論から、いじめや不登校など個別の課題への指導方法などについて取り扱っているものです。
2010年4月に初版が発行され、2022年12月に「改訂版」が発行されています。
この「生徒指導提要」ですが、上記の通り、様々な内容が記されており、「いじめ」「暴力行為」「少年非行」「不登校」等の具体的な課題に対する生徒指導について記されていたりするのですが、「生徒指導とは」「生徒指導と教育活動」等、その根幹の部分についても丁寧な解説がなされています。
その中には「校則の運用・見直し」という項目があります。
「生徒指導提要」によると、「校則の在り方は、特に法令上は規定されていないものの、これまでの判例では、社会通念上合理的と認められる範囲において、教育目標の実現という観点から校長が定めるもの」とあります。そして、「校則を制定してから一定の期間が経過し、学校や地域の状況、社会の変化等を踏まえて、その意義を適切に説明できないような校則については、改めて学校の教育目的に照らして適切な内容か、現状に合う内容に変更する必要がないか、また、本当に必要なものか、絶えず見直しを行うことが求められます。」とされています。さらに「校則の見直しの過程に児童生徒自身が参画することは、校則の意義を理解し、自ら校則を守ろうとする意識の醸成につながります。」とあります。
これらのことから、本校では、生徒指導提要に則り、生徒会が校則について検討し、校長・教員に、改定の提案をしてもらう形をとっています。
写真は、7月1日から始まった、体操服登校による、細かなルールについて、生徒会から見直しの提案を職員室で先生方にしている場面です。科学的なエビデンスと、社会通念等をもとに、生徒議会で話し合った結果を報告し、体操服の上衣を下位に入れなくてもいい場面を増やせないかという申し入れをしています。
会長の堂々とした語り口と、教員からの意見に対しても、落ち着いて返答する様子を見て、感心しきりでした^^自分が中学生の頃には、とてもできない、ハードルの高いアクションです。
ルール改訂に向け、今後、試行期間を設けて、生徒にアンケートを実施し、提案の内容が適切だったかどうか、意見をもらい、最終決定をしていく流れになっています。
このように、令和の現在は、生徒とともに、校則の見直しを図っています。今後も、見直しが図られる校則があるかもしれません。引き続き、生徒の主体的な活動を尊重しながら、対応をしていきたいと思っています。
■文部科学省『生徒指導提要』2022年12月(第1.0.1版) (mext.go.jp)