学校日記

2025.11.19 イチョウの木

公開日
2025/11/19
更新日
2025/11/18

校長室より

古知野中学校に、イチョウの木があるのは知っているでしょうか。今の季節だと、運動場の南東に、黄色い高木があるのに気づくかと思いますが、それが、本校唯一のイチョウの木です。

銀杏(ギンナン)がなるのは、「雌の木」ですが、本校のイチョウはなっていないことから、「雄の木」であることが分かります。


さて、そのイチョウの木ですが、世界中で化石が発見されている木の一つです。

現在の姿と大きな変化がないことから、「生きた化石」と呼ばれており、生命力が強く、1000年の樹齢を超えることもあるそうです。恐竜がギンナンを食べていたため、フンと一緒にあちらこちらにばらまかれ、世界中で繁殖していたそうです。

しかし、現在、私たちが目にするイチョウの多くは、人の手によって栽培されたものであり、野生のイチョウは、中国にわずかに残っているだけで、「絶滅危惧種」に分類されているのだそうです。


そんなイチョウの木ですが、本校のイチョウの木は、近隣の地域にご迷惑をおかけする「落葉被害」を起こしていることが、先日、地域からの声で分かりました。敷地内の南東に位置していることから、毎秋、北西からの冷たい風が吹くと、敷地外に大量の葉を散らすこととなり、広域に葉が飛ばされていたのです。地域の方々には、申し訳なく思っております。


特に、イチョウの葉は、ケヤキやサクラなどの葉と異なり、枯れ果て、分解しにくい葉となっています。細胞壁が厚く、「リグニン」という分解されにくい成分が多く、表面にはワックスの役目を果たす「クチクラ層」というものがあることから、水を弾きやすく、微生物が侵入しにくかったり、分解酵素が働きにくかったりするという特徴があります。そのため、いつまでも「黄色い状態の葉」「形を保ったままの葉」が路上や吹きだまりに残ることになり、処分に一手間かかることになるのです。


そこで、現在、かなり短く剪定する方向で調整を図っています。イチョウの鮮やかな黄色は、見る者の心を癒やしますが、そのような状況となると、厳しい決断を下さなければなりません。しばらく、鮮やかなイチョウの木があったことを知る古中生がいなくなりそうです。今の古中生には、そんなイチョウがあったことを記憶に留めておいてくれると嬉しく思います^^


(※ 写真は、敷地外から望むイチョウの木です。フェンスの高さまで剪定する計画でいます)