学校日記

2024.6.19 水泳の授業は今

公開日
2024/06/19
更新日
2024/06/19

校長室より

先週から、体育では、水泳の授業が始まりました。太陽が照り付け、気温が高い中、プールに入るのは、純粋に気持ちのいいものです。しかし、現在、この水泳の授業が「消えつつある」現状があります。

現在、老朽化したプールの維持管理にかかる経費の負担や、毎日の水質・水量の確認などの教員の負担、「熱中症警戒アラート」で中止になるリスクなどを軽減するために、水泳の授業を実施しない学校・自治体が増えつつあります。特に、水泳部がない学校が、その方向に舵を切りつつあります。

では「水泳の授業はどうするのか」というと、自治体のプールや、私設のスイミングスクールのプール、同じく私設のフィットネスクラブのプールを借りて実施するという形をとっているところがあります。
その場合は、自治体やスイミングスクールのバスがプールまでの送迎をするなどし、泳法の指導や、安全面の目視もスタッフが行うなども行ってもらう形となる場合が多いようです。実際、その形態を採用すれば、温水プールである前出のプールでの指導は、水泳の授業そのものを「夏のみ」に行う必要がなくなり、年間を通じて行うことが可能となります。複数の学校を抱える自治体は、年間の各校の水泳の授業を計画的に割り振ることで、年中実施もできます。
結果、自治体の経費は少なくなり、教員の負担も減ると同時に、泳力もプロの指導で伸びるケースもあるというのですから、「学校の水泳の価値は?」と思わざるを得ません。

しかし、教員が、そうした体制が整っている自治体とそうでない自治体間・学校間での異動がある現状では、指導に慣れていない教員が、学校のプールで指導することになった場合、「初めての指導」「久しぶりの指導」となっては、保護者も子どもも不安になることでしょう。
また、財政がひっ迫する自治体は、その外部による指導の経費も支払えなくなり、水泳の授業を中止せざるを得ない状況になっているところがあると聞きます。さらには、技能だけでなく、「水の危険性や楽しさを正しく理解し、水に囲まれたこの国で水と上手に付き合うすべを学ぶ」のは、まさに学校ならではのようにも思います。
そうした意味で、「学校での水泳の授業の価値」は「0」でないように思います。

本校は、幸いにも水泳部があるため、水質の管理などはしっかりできており、水泳の授業も実施できる状況にあります。しかし、世の中の流れで今後どうなっていくのか、予測はつきにくい状況でもあります。既に、市内でも外部施設を活用する学校が現れつつあることから、今後の動きに注視したいと思います。