2025.6.21 バリアフリー演劇「ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち」
- 公開日
- 2025/06/21
- 更新日
- 2025/06/21
校長室より
先週日曜日(15日)に、小牧市市民会館で行われた、「東京演劇集団『風』」による、バリアフリー演劇「ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち」を鑑賞してきました。
この「バリアフリー演劇」とは、どんなものかと言うと、「どんな障害がある方でも、誰もが楽しめるよう工夫された舞台」だと思います。
主なところでは、舞台後方に台詞を「字幕」で表示する(写真中央にあるタイトルの位置)とともに、役者の動きなどを説明する「音声ガイド」を加え、さらに、舞台衣装をまとった手話通訳者が役者と連動しながら、舞台上で「手話通訳」をします。
また、舞台が始まる前には、出演する俳優の皆さんが登場し、それぞれが自身で、役名、衣装の色や形、履いている靴とその足音などを伝え、配役が区別できるよう確認してもらったり、舞台の各箇所から声出しをし、俳優がどの位置から声を出しているのか、空間の奥行きやポジションが伝わるよう補足したりするなど、視覚障害の方にも優しい説明が行われます。
面白かったのは、手話通訳者が、上述したように、ときには俳優の一人となって登場人物と絡んだり、俳優も手話通訳を見せたりするシーンが何度もあったことです。手話通訳が「オプション」でなはく、舞台の演出に欠かせなくなるような一体感があった工夫がされていたのは、素敵な演出だと思いました。
さらに楽しめたのは、開演前に、舞台上やバックヤードの見学ができるというもの(写真:あえてぼかしています)。舞台セットの大きさや質感を感じたり、しかけがあるものは、そんなしかけに触れて体感できたりするのは、舞台の垣根を低くする素敵な提案だと思いました。
物語は、サリバン先生の献身的な取組により、三重苦(視覚、聴覚、言語障害)のヘレンケラーが成長していく…というシンプルなものではなく、家族の思いや、サリバン先生の葛藤など、多くの人の思いが「響き合う」ことで成長につながっていたということを改めて確認できた物語でした。
白杖を持たれた方、車いすの方、手話で会話をしていた方など、さまざまな障害をもたれた方がたくさん鑑賞にいらしていましたが、皆さん、楽しめていたように思います。もちろん、私も大いに楽しめました。
古中生や保護者の皆さんも、機会があれば、そんな舞台に触れてはいかがでしょうか。学びが多いと思いますよ^^