2025.9.2 「備えあれば憂いなし」
- 公開日
- 2025/09/02
- 更新日
- 2025/09/01
校長室より
「備えあれば憂いなし」(そなえあれば うれいなし)という故事成語があります。中学生にもなれば、これまでに聞いたことがある言葉だと思います。
意味は、「前もって準備していれば心配することはない」というものです。
ちょうど昨日の「9月1日」は、「防災の日」でした。1923年に関東大震災が発生した日であり、台風の襲来が多いとされる「二百十日」(立春から210日目の日)にあたることから、災害への備えを怠らないようにするためにも、メディアで特集が組まれたり、各地で防災に関するイベントが行われたりします。
したがって、この時期は、災害が発生したとき被害を最小限に留めるためにも「備えあれば憂いなし」の言葉をよく耳にすることと思います。
そのような中、まだまだ世の中には、「自分は大丈夫」という思いをもつ人が多くいるようで、「備え」ができていない人が一定数いるようです。
これらに関する心理学用語に「正常性バイアス」「楽観性バイアス」という言葉があります。意味は以下の通りです。
■正常性バイアス
・非常事態や異常な状況に直面したときに、「これは普通のことだ」「たいしたことはない」と考えてしまう心理バイアス。危機の重大性を過小評価し、「いつも通りで大丈夫」と思い込む傾向があります。地震の揺れを感じても、「これくらいの揺れなら大丈夫」と、机の下にもぐったり、避難したりしないのは、こうしたバイアスが働いています。
■楽観性バイアス
・自分にとって「都合のいいことが起きやすい」と信じ、「悪いことは自分には起きにくい」と考える心理バイアス。「自分は災害に遭わない」「大けがをしない」などと思うのは、こうしたバイアスが働いています。
人は、日常からの変化を嫌ったり、ストレスを受け入れたりしないようにする願望があるため、上記のようなバイアスが働いてしまいます。
そうではなく、「自分も遭遇するかも」という願いが、備えを確実にしたり、実際に災害に直面したときに適切な行動がとれます。
ぜひ、この機会に、上記の二つのバイアスを取り除き、「備え」ができているか振り返るといいですね^^