学校日記

2025.12.8 今後の技術領域の授業は…?

公開日
2025/12/08
更新日
2025/12/04

校長室より

写真は、現在2年生が実施している、技術科の授業のワンシーンです。はんだごてを用いて制作し、右の写真のように、有線のコントローラーで動く、「ロボットの簡易版」のようなものを作製しています。

このようなシーンは、細かな差こそあれ、「エネルギー変換」について学び、はんだごてを用いて作製し・・・と、保護者の皆さんも経験がある授業風景ではないでしょうか。


そんな技術科の授業が、次期学習指導要領の改訂に伴い、大きく変わりそうな状況にあります。


現在、日本社会では情報技術(コンピュータ、プログラミング、データ、AIなど)が急速に発展し、子どもたちが将来「情報を使いこなす力」「ものを作る力」をもつことが求められています。この流れを受け、学校教育の中で「情報を学ぶ・扱う力」を体系的に育てる必要性が高まってきているのです。


これまで、中学校では「技術・家庭科」の技術分野で、情報に関する内容を扱ってきました。しかし、学校・地域ごとで学びに差があったり、扱う内容や深さが十分でなかったりする実情があり、課題となっているのです。

そこで、その内容等を見直し、「情報・技術教育」をより明確に、体系的に位置づけよう、というのが今回、文科省が検討している背景となっています。


今後は、従来の「技術・家庭科」を、「技術」と「家庭」という別々の教科に分け直す方向で検討がされており、「技術分野」は、「情報・技術科(仮称)」として、教科を独立させ、情報技術、プログラミング、ものづくりなども含めた形で充実させる方向で検討されています。


そこで、これまで技術分野の一つであった「情報領域」を大幅に充実させ、「材料と加工」「生物育成」「エネルギー変換」の3領域についても、3Dプリンタを用いたり、シミュレータを活用するなど、「情報技術」との関連を強化し、「ものづくりのDX化」も目指しながら内容を整理・充実させる方向で検討されるようです。


時間数の変更については、まだ明言されていません。新しい指導要領では、学校裁量で、各教科の授業時間数を「一定の範囲で増減できる」という制度の導入も検討されており、各自治体・学校によって時間数を柔軟に設定する可能性がありそうです。


時代も令和となり、昭和の時代に誕生した「技術・家庭科」の授業内容は、「裁縫・調理・材料加工など家庭中心の“生活技能”重視」から、あらゆる職種でDXが活用されることを見越した「情報領域の習得」に変わろうといています。これにより、将来のキャリアや社会参加の幅が広がる可能性があります。


次期学習指導要領は、2030年頃に実施の予定です。

小学校中低学年に弟さん、妹さんがいるご家庭は、新しい「情報・技術科」の学習をすることになりそうです^^