式辞
校庭の木々が若葉を蓄え、清々しい春の風が吹き抜ける中、本日、ここに保護者の皆様のご臨席を賜り、令和8年度入学式を挙行できますことに、心より感謝申し上げます。
271名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
皆さんが真新しい制服に身を包み、正門をくぐる日を、2・3年生の先輩たち、そして私たち教職員は、とても楽しみに待っていました。
皆さんの入学を心より歓迎いたします。
古知野中学校は、今年で80年目を迎えた伝統ある学校です。みなさんにも、伝統を受け継ぎ、自信と誇りをもちながら、充実した中学校生活を築いてほしいと願っています。
そこで、この機会に心に留めておいてほしいことを二つお話しします。
一つ目です。
それは、「自分を大切にし、自分らしくあってほしい」ということです。歌手の福山雅治さんが歌う曲の中に、こんな歌詞があります。
「一緒にいたいよ
だけどね 一緒にいてもね 何もかも合わせることなんて必要なくて
僕はね『君が君でいられる』僕ならいい」
という歌詞です。
私たちは、誰かと仲良くなりたいと思うとき、ついつい「相手に合わせなきゃいけない」「みんなと同じでなきゃいけない」と考え、周りの目を気にして自分の本当の気持ちを押し殺してしまうことがあります。
しかし、この歌詞は教えてくれています。
「無理に全てを合わせる必要なんてないんだよ」と。
本当の心地よい人間関係というのは、お互いが「自分らしく」いられる場所だと思います。
「私は私でいい、あなたはあなたでいい」。
まずは、自分自身を大切にすること。そして、周りの友だちの「自分らしさ」も同じように認め合うこと。そんな易しい気持ちを、お互いに持ってほしいのです。
この場に集まった新入生には「271通り」の、輝く個性があります。無理に一つの色に染まる必要はありません。一人一人が、自分だけの「色」を堂々と表現し、お互いの個性が引き立て合えるような、鮮やかで温かな学年集団を築いていくことを期待しています。
二つ目です。
「自分らしさを支える、心の土台を作ること」です。
先ほど「自分らしく」と言いましたが、それは決して「何でも好き勝手にやる」ということではありません。自分らしく、自由に羽ばたくためには、それを支える強い土台が必要です。本校ではその土台として、三つのキーワードを大切にしています。
自分を大切にするのと同じように、他者を思いやる「利他共生」。
限られた時間を自分の意志で考えて生活する「24時間をデザインする」。
当たり前のことを当たり前に行う「凡事徹底」。という3つの言葉です。
この3つのキーワードは、先生だけでなく、先輩たちも使うことが多くあります。ぜひ、一年生の皆さんも意識し、自分自身を高めてほしいと思います。
保護者の皆様、本日は、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。
本日から、「自律」への一歩が始まります。お子様が新しい環境に戸惑い、失敗することもあるでしょう。しかし、その一つ一つの経験こそが、主体性を育むための貴重な糧となります。
私たちは、お子様の無限の可能性を信じ、ときに見守り、ときに寄り添いながら、ご家庭とともにその成長を支えてまいりたいと考えております。「自分らしさ」を誇れる強さを育むためにも、本校の教育活動へのご理解とご協力をお願い申し上げます。
結びにあたり、新入生の皆さんの前途が、希望と彩りに満ちたものとなることを祝福するとともに、本日ご臨席賜りました皆様のご健勝とご多幸を祈念し、式辞といたします。
令和8年4月9日
江南市立古知野中学校長
水谷 政名