2026.5.14 「浮世絵」に触れる
- 公開日
- 2026/05/14
- 更新日
- 2026/05/11
校長室より
5月上旬の連休中、二つの浮世絵展を鑑賞してきました。一つは、刈谷市歴史博物館で開催中の「北斎の富獄百景」。もう一つは、中山道広重美術館(岐阜県恵那市)で開催中の「歌川広重 名所江戸百景」です。どちらも見応えのある展覧会でした。
葛飾北斎の富士山を描かいた浮世絵といえば、大きな波の向こうに富士山が見える「神奈川沖浪裏」を含む「富嶽三十六景」が有名かと思います。鮮やかな色彩を用い、さまざまな富士山の表情を描いたシリーズは非情に見応えがあります。
今回鑑賞したのは、そのシリーズとは異なる「富嶽百景」です。「富嶽三十六景」を描いた後に着手した作品で、サイズも「富嶽三十六景」と異なり、冊子形式の「絵本調」となっています。また、色合いも白黒を基調としています。しかし、細部までこだわった緻密な描写や大胆な構図には、「さすが北斎」と感心させられるものがありました。全102点をじっくり鑑賞しました。
また、歌川広重と言えば「東海道五拾三次」や「木曽街道六拾九次」が有名でしょうか。今回観に行ったのは、それらと並んで名高い、晩年の代表先である「名所江戸百景」です。
高所から見下ろすような視点や目線と同じ高さからの視点、極端に対象物に接近した視点など、多様な視点や大胆な画面構成で表現された作品は、観る者を飽きさせません。
本校会議室の黒板アートを見たことがある人もいるかと思いますが、「名所江戸百景」は、縦長の画面構成が特徴で、まるでスマートフォンで撮影した写真のようにも感じます。今で言う「映え」を意識したと言ってもよいかもしれません。
今回は、その「名所江戸百景」シリーズの前期展示分(約50点)と関連するその他の作品(約30点)を鑑賞しました。
中学校「美術」の学習指導要領解説では、「浮世絵」という言葉そのものの記載は一箇所しかなく、浮世絵だけに特化した鑑賞授業を求めているわけでもありません。しかし、浮世絵を含む日本の美術文化遺産を鑑賞し、表現方法の工夫や創造力の豊かさを味わうことは、大切な学習内容として位置づけられています。そうした意味でも、実際の浮世絵に触れ、鑑賞することには大きな価値があると思います。
ちなみに、中山道広重美術館では、古中生に「こんにちは」と声をかけられ思わずビックリ。ご家族で鑑賞に来ていたようでした。
少し、知識が加わるだけで、こうした作品は楽しく鑑賞できます。ぜひ機会があれば、ご家族で足を運んでみてはいかがでしょうか。どちらの展覧会も、6月上旬から中旬頃まで開催されていますよ^^
(写真下は、本校会議室の「名所江戸百景」黒板アート。左から作品名「箕輪金杉三河しま」「亀戸梅屋敷(反転の図)」「隅田川水神の森真崎」)

