2024.8.7 ジェンダー平等
- 公開日
- 2024/08/07
- 更新日
- 2024/08/07
校長室より
左上のパリ・オリンピック及びパリ・パラリンピックの公式エンブレムは、もう見慣れたことでしょう。このエンブレム、ご存じの方も多いと思いますが、三つのモチーフが組み合わされています。(1)金メダル、(2)女性像「マリアンヌ」、(3)聖火の炎、です。
ちなみに、「マリアンヌ」というのは、フランス共和国を象徴する女性像で、擬人化した女性の名前ということですが、画家ドラクロワが描いた、右上の「民衆を導く自由の女神」に描かれたフランス国旗を掲げる中央の女性が「マリアンヌ」と言われています。
今回のオリンピック・パラリンピックは、女性アスリートへの敬意が表れていることから、このデザインが採用されているのですね。
すると、8月5日の山陽新聞のコラム「滴一滴」に、以下のような興味深い記載があったので、引用・掲載します。
パリ五輪の開会式で、フランスの歴史をつくったとされる10人の女性の像がセーヌ川沿いに登場した。そのうちの一人、アリス・ミリアは女性の五輪参加に大きな役割を果たした人である▼1896年の第1回アテネ大会は男性のみが参加した。女性に門戸が開かれたのは第2回パリ大会。しかし、テニスとゴルフのみで女性の参加は全体の約2%だった▼「女性にスポーツは不向き」。そんな風潮に異を唱えたのがミリアだった。女子種目の拡大を訴え、1920年代にはパリで女子五輪を独自に開いたことでも知られる▼それから1世紀。今回のパリ五輪は男女平等を理念に掲げ、出場枠の男女同数が初めて実現した。大きな節目となり、平等を求め続けてきた先駆者たちの足跡を振り返らずにはいられない▼ほかにもいくつもの「初めて」がある。選手村には育児室が初めて設けられた。昨年出産したフランスの柔道選手が要望し、実現したという。競技と育児を両立するアスリートは増え続けている▼ジェンダー平等の理念は競技日程にも反映されている。前田穂南選手(天満屋)が出場する女子マラソンは初めて男子マラソンの翌日、五輪の閉幕日に行われる。競技を締めくくるのは男子—。そんな慣例を問い直そうという試みである。さまざまな「初めて」が彩る五輪は後半戦に入った。
とのこと。女性の参加率約2%から、今大会の出場枠の男女同数の実現まで、実に124年がかかっています。とても長い時間です。政治への参加をはじめ、女性の地位向上は、世界中で改善が図られつつありますが、日本は、まだまだ遅れており、先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国より低い状況となっています。今後は、国内の様々な分野で、こうした「ジェンダー平等」が進むことを願ってやみません。
■五輪と男女平等:山陽新聞デジタル|さんデジ (sanyonews.jp)