学校日記

2024.10.2 エンハンシング効果

公開日
2024/10/02
更新日
2024/10/02

校長室より

今日も、心理学用語についてお話を…。
過日、「物理的報酬」により、内発的モチベーションが消えてしまう「アンダーマイニング効果」についてお話ししましたが(2024.9.30 アンダーマイニング効果)、今日は、それとは逆に、外発的モチベーションによって、内発的モチベーションが高まる「エンハンシング効果」というものについて、お話しします。

これは、内発的モチベーションによる行為に対して、「物理的報酬」ではなく、賞賛などの「言語報酬」や「精神的な報酬」を与えると、自発性が一層強化されるというものです。簡単に言い換えれば「ほめられると、一層やる気が起こる」「『優勝』のような精神的な充実感があると、さらにやる気が起こる」ということです。

やる気があって、頑張っている人には、純粋に「最近、力がついてきてるわね。がんばってるのね」「いいね。その勉強方法を教えてよ」「なるほど、そうすると上手くなるのか。その方法のポイントは?」などと、具体的に褒めると、その人のモチベーションはさらに高まります。

但し、人によって、モチベーションの高まり具合は個性があるため、「アンダーマイニング効果」が全て否定されるものではなく、「エンハンシング効果」が全て肯定されるものでもありません。しかし、物理的報酬によって左右されるモチベーションでは、根本的な精神面の強さや安定感は身につきにくいことが多いようです。

純粋に頑張っている人は、「やらされている」のではなく、自らの成長を願い、「進んでやって」います。そこに、時には余分なものとなってしまう恐れのある「物理的報酬」は、必要としないのでしょう。

といっても、個人的には「頑張ったから焼き肉でも食べに行こうか!」は、単純に乗っかかりそうです。この年にして、まだまだ、根本的な精神面の強さや安定感は身についてないのでしょう(笑)。

「アンダーマイニング効果」と「エンハンシング効果」。子育てや、職場での若手育成などにおいて、意識するとよいかもしれませんね^^