冬休み期間中は、図書館では4冊まで特別貸し出しを行っています。冬は夜が長いので、読書に親しむにはよい季節です。校内放送を使って、図書館司書の中野さんより、お薦めの本(写真)の紹介がされました。読書は、とりあえず、本を手にすることから始まります。心に残る本に出会ってみませんか?
中野さんの校内放送を知りたい方は、次をクリックしてください。
みなさんこんにちは、図書館司書の中野です。今日は、冬休みにぜひ読んでほしいオススメの本を紹介します。
はじめは、鬼塚 忠 作 『カルテット!』です。
「カルテット」とは4人で演奏すること。主人公の永江開は、将来を有望視されたバイオリンの才能を持つ中学生。かつての永江家は、家族でクラシックを演奏する音楽一家でした。音大出身の両親とフルートを吹く高校生の姉。しかし父がリストラに合い、両親は生活のために音楽をあきらめてしまいます。また姉も、才能ある弟へのコンプレックスと、自分を認めてくれない両親への反発で、毎日夜遅くまで帰宅せず、家族とも音楽とも距離を置くようになっていました。
そんな矢先に偶然見つけた、母の離婚届。もうみんなで笑い合ったあの頃に戻ることはできないのかと開は悩みますが、ある日、埃をかぶったピアノの前で、ひとり家族写真を見つめる父の姿を目にして、家族を結び付けていたものが音楽だったと改めて気づかされます。そして、もう一度みんなでカルテットを組みたい!と家族再生のために動き出します。
「カルテット!」は来月映画公開予定です。物語の舞台は、本と同じ東京ディズニーリゾートがある千葉県浦安市。市制30周年という記念の映画製作の最中、東日本大震災が発生。液状化の大きな被害を受けました。しかし多くの市民がエキストラとして参加するなど、この物語本来がもつ、「逆境にも負けず、明日に向かって生きる」そんな思いがたくさんつまった映画となりました。
「カルテット!」ぜひ借りに来て下さいね。
次は、魚住 直子 作 『園芸少年』です。
いじめられないように細心の注意を払いながら中学までを過ごしてきた主人公。入学したばかりの高校はいわゆる進学校で、地味な自分と同じような雰囲気の生徒が多く、このまま適当にゆる〜くやっていこうと思っていました。
そんなある日、校舎のウラにある、枯れ果てて誰も来ない庭でのんびり過ごしていると、突然、頭は丸刈り、眉毛は剃ってほとんどなし、ズボンもかなり落として履いているいわゆる不良っぽい生徒が現れます。そしてほんの成り行きで、廃部寸前の園芸部に一緒に入部することになってしまいました。最初は、園芸の知識など全くありませんでしたが、何とか枯れた鉢を元気にしたいと、試行錯誤しながら取り組んでいるうちに、物事に熱中する楽しさに気づきます。そこへまた予想外のことが…。二人の前に、頭からすっぽりとダンボールをかぶった姿で、毎日相談室に登校し、絶対に人前で顔を見せない謎の生徒が現れ、3人目の部員となります。こうして園芸部としてやっと本格的な活動が始まりますが、花の苗を買いに行った先で不良グループにからまれ、それが大事件へと発展していきます。
これまで、不器用にしか生きられなかった少年たちが、自らの殻を打ち破るべく立ち上がります。「園芸少年」この本を読めばきっと、みなさんの心にも花が咲くことでしょう。
図書館では、21日(水)まで、冬休み向けにひとり4冊まで本を借りることができます。勉強や部活動の合間の気分転換に、ぜひゆっくり読書をする時間をつくり、充実した冬休みにしてください。
これで本の紹介を終わります。