学校日記

2025.1.17 30年経ちましたが…

公開日
2025/01/17
更新日
2025/01/17

校長室より

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毎週水曜日の中日新聞夕刊に、ライター4人によるコラムが集まった「Sports Story」というページがあります。
その中の一つに、個人的に好きなライターである藤島大さんが執筆する「スポーツが呼んでいる」というものがあるのですが、1月15日(水)の藤島さんが書いたコラムが、印象に残るリード文だったので、ここに引用・掲載します。



 元日の夕刻。大阪の花園ラグビー場から最寄りの東花園駅へ向かう。門を出て直線を進み、もうすぐ駅構内というあたりで信号に阻まれる。
 1年前の午後4時10分もちょうどここで「青」を待った。突然、揺れた。周囲の「おーっ」の声が重なった。
 翌日の仕事に備えて東京へ戻るので「早く新幹線に乗らないと、もうしかしたら止まるぞ」と思った。能登半島の厳しい様子を想像できなかった。
 ほぼ同じ時刻に同じ場所に立って「1年、あっという間だな」と感じた。ここで再び自分の冷淡に気づく。被災者の時間の流れはそんなに簡単なはずはないのに。



というもの。最後の「被災者の時間の流れはそんなに簡単なはずはないのに」という一文に、自分もハッとさせられました。

この年末・年始のメディアでは、「能登半島地震から一年」というタイミングであることから、関係するニュースや記事を数多く目にしました。しかし、一年が経とうとしているものの、なかなか復旧作業が進まなかったり、受けた心の傷が癒えることがなかったりする現状を紹介するものがほとんどであり、今なお厳しく苦しい暮らしを強いられている人々が多いことに改めて気づかされた年末年始でした。時間の流れは簡単ではなく、今も時間が止まっている人が多かったのです。

ちょうど30年前の今日、阪神淡路大震災が発生しました。6,400人を超える犠牲者を出した大地震です。能登半島地震同様に、今なお、被災した当事者は、人知れず様々な思いを抱えており、中には、時間がなかなか進まない人もいることでしょう。

私たちは、その当事者になり替わることはできません。しかし、そんな大地震で得た教訓から、今後起こるかもしれない災害に対する備えをしっかりし、少しでも被害を小さくすることは、被災地域や被災者に対する敬意のように思います。
 
先日も、宮崎県では、南海トラフ大地震の発生を想起させるような規模の地震も起きています。古中生の皆さん、今一度、自分の備えを振り返ってみてはいかがでしょうか。