式辞
柔らかな陽ざしにつつまれ、桜を初めとした春の花が鮮やかに咲き誇る中、本日、ここに、保護者の皆様のご臨席を賜り、令和7年度の入学式を挙行できますことに、心より感謝申し上げます。
293名の新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。
皆さんが入学してくるのを、2年生、3年生の先輩、そして先生たちは、とても楽しみに待っていました。
皆さんの入学を心より歓迎いたします。
古知野中学校は、78年目を迎えた伝統ある学校です。みなさんにも、伝統を受け継ぎ、自信と誇りをもちながら、充実した中学校生活を築いてほしいと願っています。
そこで、この機会に心に留めておいてほしいことを二つお話しします。
一つ目です。歌手・福山雅治さんが歌う曲にこんな詩があります。
「僕ら必ず失敗する
だけど それを『学び』に出来れば
また勝負はそこから」
という詩です。「失敗を学びにできれば勝負はそこから」と言っているこの曲のタイトルは、まさに「失敗に学ぶ」と書いた、「失敗学」という曲です。
学校というところは、安心して失敗できる場所だと思っています。
そして学校にいる間は、失敗しても、そこから学ぶことの方が多いと思います。ぜひ、安心して失敗してください。
なお、失敗学の最後は、次のように結んでいます。
「人生の秘訣は『諦めないこと』
そして『好きなことを誰よりも好きになる』ことで
僕ら必ず失敗するけど、人生は失敗する人が成功するんです」
と。「失敗する人が成功するんです」と結んでいるように、失敗も含めて、多くの経験をしてきた人の方が、人として成長することが多くあります。「諦めず」「好きなことに夢中になって」様々なことにチャレンジしてください。
その中で、皆さんが失敗したとしても、先生たちは怒りません。
ですから、生徒の皆さんも、仲間の失敗に対して、笑ったりせず、その場でおきたことは、他の場所に広めないことを心がけてほしいと思います。
お互いを信頼しながら、互いに、失敗を人生の経験の一つにつなげて、高め合いながら成長していきましょう。
二つ目です。古知野中学校は、3つのキーワードを大切にしています。
人のために動くことを大切にする姿勢を表した「利他共生」。
日々の時間の過ごし方を考えて生活する「24時間をデザインする」。
当たり前のことを当たり前に行う「凡事徹底」という3つの言葉です。
先生だけでなく、先輩たちもこの言葉を使うことが多くあります。ぜひ、1年生の皆さんも3つのキーワードを意識し、自分自身を高めてほしいと思います。
保護者の皆様、本日は、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。
お子様にとっては、これまでの小学校の環境と異なり、中学校に慣れるまで、少し時間も掛かるかと思います。
しかし、間違いや失敗をしながらも、日々の経験や、継続した習慣作りが、確実にお子様達を成長させていきます。
お子様の主体性を尊重しながら、ご家庭でも「3つのキーワード」を大切にしていただきながら、保護者の皆様とともに、お子様の成長を確かめ合っていきたいと思います。皆様のご理解、ご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。
結びにあたり、新入生の皆さんの輝かしい前途を祝福するとともに、本日ご臨席賜りました保護者の皆様のご健勝とご多幸を祈念し、式辞といたします。
令和7年4月9日 江南市立古知野中学校長 水谷 政名