学校日記

2024.10.20 「その1秒を削り出せ」

公開日
2024/10/20
更新日
2024/10/20

校長室より

駅伝大会前日、当日の出走前に、私からは、2学期のスローガンの「enjoy」と、「その1秒を削り出せ」という東洋大学駅伝部のスローガンになっている言葉を紹介しながら話をさせてもらいました。東洋大学と言えば、長距離の名門校ですが、本校からも進学し、箱根に出場した先輩がいる大学です。

この「その1秒を削り出せ」は、大学駅伝ファンや、長距離走者であれば、多くの人が知る言葉だと思います。

2011年、東洋大学は、箱駅駅伝の往路優勝を果たすも、復路で早稲田大学にかわされ、21秒差の総合準優勝で幕を閉じます。217kmを走って、わずか「21秒」の差は、「一人一人が、あと1秒がんばれば勝てたかもしれない」という思いにつながり、さらに、さまざまな場面の1秒を想定し、「その1秒を削り出せ」というスローガンが、大会後、その年に生まれたのです。

私からは、その言葉が誕生した上記のストーリーを話しました。そして、以下のように続けました。



ちなみに、「1秒を削り出せ」ではなく、「“その”1秒を削り出せ」と言っているところがポイントです。「その」は「ベストタイムを1秒削る」「1kmあたりのラップタイムを1秒削る」「抑えめな序盤を1秒削る」など、様々な場面が想定されると思います。みなさんの1秒はどこで削り出しますか。
ちなみに1秒は、1500mを5分で走るペースであれば、5m進む距離です。女子の5人であれば、25m、男子の6人であれば30mの距離です。一人一人の1秒は、その差を詰めたり、生み出したりする1秒です。
ぜひ、明日は、楽しみ、1秒を削り出す走りを期待しています。



すると、昨日は、まさに各自の「その1秒」を削り出し、見事な走りをしてくれました。男女とも、昨年度のタイムを上回り、女子は、平成28年以来の8年ぶりの西尾張大会優勝となりました。

折しも、昨日は、箱根駅伝大会の出場をかけた予選会が行われました。ハーフマラソン(21.0975km)のタイムで、大学別に上位10人(12人出場中)の合計タイムにより、順位を決め、上位10チームが本大会に出られるというものです。
すると、10位の順天堂大学と、11位の東京農業大学の差は、わずか「1秒」。順天堂大学が「11時間1分25秒」、東京農業大学が「11時間1分26秒」となり、本戦出場の明暗が分かれたのです。一人当たり「0.1秒」の差です。

この事実を知ると、さらに1秒の重みが伝わります。「たかだ1秒、されど1秒」。きっと、県大会でも、古中のランナーは、1秒を削り出す走りをしてくれるはずです。大会までの残り3週間の練習、頑張ってください!^^