2024.11.1 技術分野の指導の現在
- 公開日
- 2024/11/01
- 更新日
- 2024/11/01
校長室より
現在、「技術・家庭科」の「技術分野」では、1・2年生が「材料と加工の技術」「エネルギー変換の技術」の領域で、作品作りをしています。
今日は、「家庭分野」を割愛して、「技術分野」にしぼって、話をしたいと思います。
この「技術分野」の授業を、保護者の皆さんは、中学校時代にどのように受けてきたでしょうか。おそらく「男子だけで授業」「男女混合で授業」の双方の保護者がいらっしゃると思います。そして、時間数は、「男子だけ」の場合は、週に2〜3時間だったと思います。「男女混合」であると、週に1〜2時間になっているかと思います。
ところが、現状をご存じでしょうか。昭和30年代は、毎週3時間実施で、全教科の総時数の「9.4%」を占めていました。ところが、昭和40年代に「8.9%」、昭和50年代に「7.8%」、平成一ケタに「6.7〜7.8%」(※選択教科の扱いがあったため、技術・家庭科を1時間増で採用するか否かで幅が生じる)、平成10年代に「6.0%」(技術・家庭科両分野)、平成20年度には、3年生が週0.5時間となり、総時数の「2.9%」(技術・家庭科両分野)と、驚きの減少傾向にあり、諸外国との授業時間数の差が広がる一方にあるのです。
そのような限られた時間数になっていることから、保護者の皆さんが受けてきた授業内容とは様変わりをし、「制作」に費やされる時間が削られ、生活や社会における技術に関わる問題を見いだして課題を設定し、解決方策が最適なものとなるよう「課題解決学習」を中心とした授業形態に変わりつつあります。
そして、そんな「技術分野」を「テクノロジー科」に独立させ、時間数や指導内容を増やしてはどうか、という提言が「日本産業技術教育学会」より、今年度5月にありました。実現の可否については、次期指導要領改訂で明らかになるのでしょうが、「ものづくり日本」を自負する我が国としては、実現すると未来が明るくなるように、個人的には思わなくはありません(教員不足等の課題から、実現は難しそうですが…)。
今でも授業を覗くと、生徒の表情からワクワク感が伝わってくるのは気のせいでしょうか。技術分野を指導していた教員としては、明るい「技術・家庭科」の未来であることを願ってやみません^^
参考:[要望声明] 初等中等教育におけるSTEAM教育の導入とテクノロジー教育の拡充・刷新について