学校日記

2025.2.7 七十二候「東風解凍」

公開日
2025/02/07
更新日
2025/02/07

校長室より

  • 250207 望の苑紅梅.jpg

https://konan.schoolweb.ne.jp/2320016/blog_img/230391713?tm=20250207093048

「立春」を迎えたものの、ここのところ、厳しい寒さが続いています。しかし、七十二候(しちじゅうにこう)では、この時季を「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」とし、「春の風が、凍った土などを解かし始める頃」と言います。「東風」が吹くようになると、徐々に寒気が緩むようになり、春の訪れを感じさせるのですね。


ちなみに、この「東風解凍」の「東風」は「はるかぜ」と読みますが、古中生は、本校正門前庭園「望の苑(のぞみのその)」に「東風の門」があることから、「東風=こち」と読むことを知っていると思います。一般的な読み方は「こち」です。


日本には、風を示す言葉が2,000以上あるとも言われていますが、この「東風」を一つとっても、様々な「東風」があります。以下に、その一部を示します。


・高東風(たかごち):早春に空高く吹きわたるすがすがしい風。

・椿東風(つばきごち):椿が咲いている日に吹く風。

・梅東風(うめごち): 梅の花が咲く時期に吹く風を指し、春の象徴的な風の一つです。

・強東風(つよごち):寒の戻りを感じさせる、強く吹く風。

・正東風(まごち):春先に、真東の一定方向から吹く風。

・桜東風(さくらごち):桜が咲く時期に吹く風。

・雲雀東風(ひばりごち):ヒバリが鳴く日に吹く風。

・鰆東風(さわらごち):瀬戸内海の漁師が呼ぶ、サワラ漁が始まる頃の風。

・いなだ東風(いなだごち):ブリの幼魚である「イナダ」が取れる時期に吹く風。

・若葉東風(わかばごち): 若葉が芽吹く季節に吹く風で、新緑の季節を迎える頃の風。

・藤東風(ふじごち): 藤の花が咲く頃に吹く風を指し、春の訪れを感じさせる爽やかな風。

・柳東風(やなぎごち): 柳の木が新緑の葉を出す季節に吹く、柔らかな風。


ひとことに「東風」と言っても、早春だけでなく、晩春まで、広く吹く風となっています。


このように、風の名前を通じて、自然の移ろいを感じることができるのは、日本文化の美しさの一つですね。

しかし、ここのところの寒さは応えます。もう少し暖かくなるといいなぁと思うのは私だけでしょうか…^^;


※写真は、現在の「東風の門」にある梅の木です。つぼみが大きくなりつつありますが、開花はもう少し先のようです。