土日祝日限定 雑学・豆知識シリーズ 119
- 公開日
- 2020/02/11
- 更新日
- 2020/02/11
土日の話題
【紙は木からつくるのになぜ「糸」偏か?】
紙は今から1900年も昔に中国で発明されましたが、それまでにも紙に似たものが使われていました。それは、絹の布です。絹の布はその頃から着物の材料として貴重なものでしたが、筆で字が書けるので紙の役割も果たしていました。絹は、カイコがつくったマユから取った糸でつくるのはご承知の通り。その手触りは、とても滑らかです。「紙」という字の「糸」は、生糸をより合わせてねじっている形から来ているもので、糸偏の右にある「氏」は「滑らか」という意味。つまり「紙」という字は、「絹糸でつくった滑らかな糸」ということを表わしているのです。
紀元前3000年、古代エジプトでは、パピルスという湿地に生える草の茎から紙に似たものをつくっていました。また中世ヨーロッパでは羊の皮をなめした羊皮紙が 広く使われていました。今では、木を砕いて細い繊維にときほぐしたもの、つまりパルプからつくられています。「糸」には、「細いもの」という意味もあるので、今の紙にも、この字をそのまま当てはめてもいいことになります。