土日祝日限定 雑学・豆知識シリーズ 133
- 公開日
- 2020/03/22
- 更新日
- 2020/03/22
土日の話題
【富士山に川がないのはなぜ?】
富士山には年間約20億立方メートルの降水量があります。しかし、雪をたたえる山腹を思い浮かべてみても川は見当たりません。
現在の富士山は、今から約10万年前 出現した古富士の上にできたもの。約1万年前から始まった大噴火によって溶岩が流れ出し、その上に火山灰や火山礫などの噴出物が堆積し、さらにまた、溶岩流が覆い、火山灰が堆積してという具合に溶岩層、火山噴出物層が次々に重なり合いながら、どんどん成長して現在の姿になったのです。
こうした火山性の土は粗いため、山腹に降った雨は、すべて山体の中にしみ込んでしまいます。地下水として約3000メートル流れた水が、はじめて地上に姿を現わす場所は白糸の滝。滝口のある海抜500メートル付近が、古富士と新富士の境。古富士の地層には水がしみ込みにくいので、断層部分で地下水が川となって現れるのです。
川ばかりでなく、その水は富士五湖に流れ込んだり、各地に湧き水となって、あちこちに姿を現わします。