2026.5.29 ラダー効果
- 公開日
- 2026/05/29
- 更新日
- 2026/05/28
校長室より
ある時、村を歩いていた旅人が、石を積んでいる4人の職人に出会いました。
旅人が「何をしているのですか?」と質問したところ、職人Aは「石を積んでいる」と答えました。そして職人Bは「壁を造っている」と答えました。
次に職人Cに同じ質問をすると、「教会を造っている」と答えました。さらに歩を進め、4人目の職人Dにも質問をしたところ、Dは「私は人の心を癒す空間を造っている」と言いました…。
A、B、C、Dの4人の職人は、すべて同じ「石を積む」という仕事をしています。しかし、その仕事に対する捉え方はそれぞれ異なっています。
職人Aは「石を積んでいる」という「行為のレベル」を、職人Bは「壁を造っている」という「目的」を、職人Cは「教会を造っている」という「大目的」を、職人Dは「人の心を癒す空間を造っている」という「意味」を答えています。
では、この中でどの職人が、自分の仕事に対して高いモチベーションとやりがいをもって取り組めているのでしょうか。
おそらく、多くの人が「C」や「D」の職人を思い浮かべることでしょう。
CやDは、自分の仕事の必要性を認識し、その「意義」や「価値」を見出して取り組んでいるので、ゴールに向かって前向きに進むことができます。
一方、職人Aは仕事を「行為レベル」で捉えているため、その目的を十分に把握できません。そのため、仕事に時間を費やすうちに、場合によっては、「やらされている」という感覚が強くなり、モチベーションが低下してしまうこともあります。
「ラダー効果」とは、このように、まるで「ラダー(はしご)」を上るように、視点の抽象度を引き上げ、行動の「意義」や「価値」をしっかり捉えることで、自身のモチベーションを高め、行動の質をも向上させていくという考え方です。
では、中学生の皆さんには、物事にどのような意識で取り組むとよいのでしょうか。
「掃除をしている」のか「みんなが気持ちよく生活できるよう、環境を整えている」のか。
「ご飯を食べている」のか「健康でいられるよう、栄養やエネルギーを貯えている」のか。
ちょっと、意識の持ち方を考えると、取り組み方も変わるように思います。
もちろん私たち教師も同じです。
「漢字を教えている」のではなく「将来、自立したときに困らない語彙を身に付けさせている」と考えることで、漢字のポイントや部首・パーツの意味など、一歩掘り下げた指導ができるようになるでしょう。
そして、古中生には、「行為」→「目的」→「大目的」→「意味」と、意識のステップアップを図ってほしいと思います。
「漢字を覚えている」から「たくさんの言葉を使えるようにするため」に。そして「将来に必要な知識を身に付けている」という意識へ。
少しずつ、その「意味」についても理解しながら、成長していってくださいね^^


