2024.6.11 若者は読書しない?
- 公開日
- 2024/06/11
- 更新日
- 2024/06/11
校長室より
先週から今週にかけて、「読書週間」とし、朝や、帰りの時間に読書タイムを設けています。
そのような中、「最近の若者は本を読まなくなった」という声が聞こえてくることがあります。果たして、事実はどうなのでしょうか。
「全国学校図書館協議会」が、毎年、この時期に、全国の小・中・高等学校の児童生徒の読書状況について調査をしています。結果は、例年、11月に発表されることから、現時点では、2023年度調査結果が最新となります。その結果を紐解いてみると…。
【5月の一ヶ月の平均読書冊数】
・ 小学生は、1995年の5.4冊から、2023年は、2.3倍の12.6冊(最高は、2022年の13.2冊)。
・ 中学生は、1997年の1.6冊から、2023年は、3.4倍となる、過去最高の5.5冊。
【5月の一ヶ月に読んだ本が0冊の不読者数】
・ 小学生の2023年は、7.0%(過去最多は、1995年の15.5%)。
・ 中学生の2023年は、13.1%(過去最多は、1997年の55.3%)。
以上のことから、「最近の若者は本を読まなくなった」という事実はなく、むしろ、本を読む小中学生が、随分と増えていることが分かります。
また、「スマートフォンの普及により、紙の本に触れる機会が増えているのでは…」と思うところもあるかと思いますが、同調査で、「紙の本と電子書籍のどちらが読みやすいか」を聞いたところ、物語や小説は「紙の本」が小学生39.5%、中学生38.5%で、「電子書籍」「どちらも同じ」を上回る結果となっています。
個人的にも、紙の本を好むとともに、月に数冊の本に触れるのですが、出版社である「ミシマ社」の三島邦弘社長は、以下のように言っています。
電子書籍は、とにかく情報としての中身を脳にインプットするために読む本。紙の本は、表紙デザイン、文字の書体や大きさ、1ページの行数などを考えて作られている。紙の匂いがあり、ページをめくる指先の感触や音がある。だから、五感全部を使って読む「読み物」である。
と。「なるほど」と納得させられました。紙の本の良さがあふれていますね。
古中生の皆さんには、今回の読書週間のみならず、可能な範囲で、本に触れてほしいと思います。間違いなく、世界が広がりますよ。
(調査結果は、以下をクリックしてください)
■全国学校図書館協議会|調査・研究|「学校読書調査」の結果 (j-sla.or.jp)
(写真は、本校図書館の入り口に貼ってある、今月の「図書館利用可能日」です。ぜひ、チェックしてくださいね)