2024.9.30 アンダーマイニング効果
- 公開日
- 2024/09/30
- 更新日
- 2024/09/30
校長室より
見出しのような心理学用語があります。「アンダーマイニング(undermining)」とは、「弱体化」「土台を台無しにすること」という意味で、「アンダーマイニング効果」は、「内発的に動機づけられた行為に対して、報酬を与えるなどの外発的な動機づけを行うことによって、モチベーション(やる気)が低減する現象」のことを言います。
これは、自分の「やる気」が一番の動機で、勉強や運動、ボランティアなどに頑張ることができていたものが、なんらかのきっかけで、金銭などの物理的な報酬を得た途端、それ以降は、報酬をもらわないと頑張ることができなくなるという現象のことです。
人の意欲には大きく分けて二種類あります。一つは、頑張ることで物質的な報酬や評価を得ようとする意欲である「外発的モチベーション」。もう一つは、やっている仕事や遊びの内容自体に面白さや充実感などを感じて頑張ろうとする意欲である「内発的モチベーション」です。
一般的に、「内発的モチベーション」の方が、集中力が高く、良い結果を出すと言われています。しかし、ちょっとしたことがきっかけとなり、簡単に「外発的モチベーション」に変わってしまうのです。
人の役に立つ満足感や達成感などが得られるから行動していたのが、物理的な報酬を与えられると、その後は、報酬なしで頑張るのがバカらしくなってしまい、何のために行動しているのかが分かりにくくなってしまうのです。
「勉強を頑張っているから」「テストでいい点数をとったから」という理由でお小遣いをあげたり、モノを買ってあげたりしていると、全ての人やケースに当てはまるとは限りませんが、「内発的モチベーション」が消えてしまう恐れがあるというのです。
なんだかわかりますね。「ニンジンをぶら下げる」のは、一時的な効果はあるかもしれませんが、持続が難しく、根本的な解決にはならない、ということです。
子育てにおいても、気をつけたいポイントですね。
じゃあ、どうすれば「内発的モチベーション」を維持することができるのか。実は、維持できる方法があるそうです。そのお話しは、また改めて…。