学校日記

2024.12.2 展覧会「金子みすゞの詩」

公開日
2024/12/02
更新日
2024/12/02

校長室より

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12月1日(日)に、文化フォーラム・春日井で行われている「展覧会 金子みすゞの詩」を見に行きました。

「金子みすゞ」と言えば、「私と小鳥と鈴と」の「みんなちがって、みんないい」や、「星とたんぽぽ」の「見えぬけれどもあるんだよ」や、「こだまでしょうか」など、多くの人が知っているフレーズが浮かぶことと思います。

今回の展覧会は、金子みすゞの作品512編が掲載されていた、3冊の「遺稿手帳」(亡くなってから見つかった作品手帳)から、60点を紹介。実物の手帳のページを撮影したものを大きく引き延ばすことで「パネル化」し、やわらかな文字や、行間を感じ取ることができる趣向が凝らしてあります。

本展覧会では、詩をイメージした、「陶芸」「切り絵」「イラスト」等の美術品も展示されており、じっくり見ていると、あっという間に時間が過ぎる、見応えのある展覧会でした。

さて、個人的に好きな詩の一つに「積もった雪」があります。



 上の雪
 さむかろな。
 つめたい月がさしてゐて。

 下の雪
 重かろな。
 何百人ものせてゐて。

 中の雪
 さみしかろな。
 空も地面(じべた)もみえないで。



積もった雪を擬人化するのはもちろんのこと、それを三層に分けて、それぞれの「当事者」の思いを語る詩は、金子みすゞの優しさと、観察眼が見事に表現されています。

この詩から、世の中には、様々な環境や境遇の中で生きている人がおり、それらの人々の思いを想像しながら生活をしていく必要性を感じます。特に、教員であれば、そうした想像力が必要であると思いますし、古中生にも、大人になるにつれ、そんな思いをもちながら社会に出てほしいと思います。
金子みすゞの詩は、生きていく上で必要な想像力を働かせる、最適なものの一つだと思います。たまに触れてみるのもいいですね^^