2025.1.26 講談に触れる
- 公開日
- 2025/01/26
- 更新日
- 2025/01/26
校長室より
先週末に、大須演芸場で行われた、講談師である一龍斎貞鏡さんの「花鳥風月独演会」に行ってきました。「講談」と聞いても、馴染みがない人が少なくないかもしれません。
講談は、落語と比較されますが、一人で何役も務める会話で客を笑わせる落語と異なり、「台詞(せりふ)」と「ト書き(とがき:台詞以外の動きの解説)」で、昔から伝わる物語を読み聴かせる演芸です。「張り扇(はりおうぎ)」という扇で、高座に置かれた「釈台(しゃくだい)」という小さな机のような台を「パン!」「パパン!」と叩きながら、台詞の合間の場面転換や、物語が盛り上がる瞬間に「音」を加えながら表現していきます。語り口も、七五調のリズムをとるなどしながら、テンポよく進んでいくのは、落語と異なる講談の特徴です。
ちなみに、江戸時代、常設小屋で上演されるようになった講談は、当時は「講釈」と呼ばれていました。大衆の娯楽として人気を博し、講釈での人気演目が「歌舞伎」や「人形浄瑠璃」などにされることもあったほどです。明治になると「講談」と呼ばれるようになり、人気は呼んでいましたが、「浪曲」「漫才」が誕生し、さらに昭和になって、テレビが普及すると、衰退していく…という歴史をもっています。
しかし、現在、神田伯山などの人気講談師を始め、今や男性講談師よりも多くなった女性講談師の活躍などもあり、再び注目される演芸となっています。
この日の演目は以下の3席。
・曲垣平九郎 出世の石段
・牡丹燈記
・赤垣源蔵 徳利の別れ
笑いあり、涙ありの、聴きごたえのある3席でした。
4人のお子さんのお母さんである貞鏡さんは、この日も「土曜保育に預けているので、4時過ぎの新幹線で東京に帰ります!」と笑わせながら、サービス精神旺盛なため、建物の外で、写真撮影に応じていると(写真右端)、着替えの時間がなくなり、高座の着物のまま、キャリーケースを引いて東京に帰ったとか…。
マンガ「あかね噺」がヒットするなど、古典芸能が注目されている現在です。興味のある古中生がいたら、ぜひ一度、足を運んでみてはいかが?新しい発見があるかもしれませんよ^^
■講談師 七代目 一龍斎 貞鏡(いちりゅうさい ていきょう):講談協会:女性講談師