学校日記

終戦記念日に思う 【戦争によって切り裂かれた二人より】

公開日
2013/08/15
更新日
2013/08/15

校長室から

今日は8月15日で 終戦記念日です。戦争が終わって68年も経ちました。
68年前、日本は敗戦の色が濃くなり、神風特攻隊が出撃したのです。それは、飛行機に爆弾を乗せ、敵艦隊に体当たりしていくものでした。人の命をなんと思ったのでしょうか。そこには多くの悲しみがあったと思います。ここでは2人の恋人の悲しい話を紹介します。昨年、テレビで「知覧からの手紙」という題で放映されたので知ってみえる方も多いと思います。

穴沢利夫さんはお茶ノ水の東京医科歯科大学の図書館で働きながら勉強する大学生でした。その図書館に、昭和16年夏、図書館講習所の後輩たちが実習にやってきます。これが運命の出会いでした。その中に、後に婚約者となる孫田智恵子さんがいたのです。
二人の交際は、昭和16年の暮れ頃からはじまります。そして、なんとか婚約まで漕ぎ着けた二人でしたが戦局は悪い方へ流れ、ついには特攻隊が結成されるようになります。そして、この穴沢利夫大尉も志願し、別れを覚悟します。
穴沢太尉の遺書には今までのお礼と別れが書いてあります。それと、隠しきれない会いたさも・・・。

「勇気をもって過去を忘れ、将来に新活面を見出すこと。
あなたは今後の一時々々の現実の中に生きるのだ。
穴沢は現実の世界にはもう存在しない」
〜 中略 〜
1、読みたい本
 「万葉」「句集」「道程」「一点鐘」「故郷」
2、観たい画
 ラファエル「聖母子像」、芳崖「悲母観音」
3、智恵子。会いたい、話したい、無性に。

こうして穴沢利夫大尉は智恵子さんからいただいた思い出のマフラーを巻いたまま、 敵艦に突っ込んでいきました。昭和20年4月12日の出来事です。二度とこのような悲惨な戦争が起こらないように祈るばかりです。

※写真は特攻に旅立った穴沢大尉です。智恵子さんのマフラーを巻かれているので、他の隊員より首のところが太くみえます。この日が最後の日となりました。
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