学校日記

認知症、避けて通れない家庭もある

公開日
2014/04/25
更新日
2014/04/25

校長室から

認知症徘徊に妻の責任と判決がでました。これは大府市で2007年、認知症の男性(91)が徘徊中に列車にはねられ死亡したのは家族が監督を怠ったためとしてJR東海が振り替え費用などで720万円の損害賠償を求めた控訴の判決が出たものです。その判決で妻(91)に360万の支払いを命じたのです。

認知症とは、脳細胞が壊れたり働きが悪くなったために、さまざまな障害が起こり、生活に支障をきたす状態をいいます。認知症を引き起こす病気のなかで最も多いのが、アルツハイマー病です。次に多いのが脳血管性の認知症です。これは脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化症などで神経細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その部分の神経細胞が死んでしまうために起こります。
他に幻想な世界で悩ませられるレビー小体病や若年性認知症などがあります。

認知症は全国の65歳以上の高齢者について、認知症有病率推定値15%とされています。高い割合で認知症患者の方が出てきます。福祉課の人に聞いたことがあります。家族に認知症の方をもつと、家族だけで対応していくと1年で家族がへとへとになり、3年で崩壊してしまうと。

妻の方も大変だったと思うのです。それも高齢で・・・。確かに鉄道会社にも大きな損害を与えました。当然、責任はあると思いますが、そのまま妻にもっていくのはどうなんでしょう。もっと日本全体で責任を負っていくべきことではないでしょうか。また、裁判官の家庭に、もし認知症の方がみえたならきっと判決は違った形で出たんではないでしょうか。損害を命じられたおばあちゃんに何か声をかけてあげたいと思うのは私だけでしょうか。(校長)