全校出校日より【悔しさがあれば頑張れる、夢があればもっと頑張れる】
- 公開日
- 2014/08/01
- 更新日
- 2014/08/01
校長室から
夏草や兵どもが夢の跡 松尾芭蕉が奥の細道の旅の途中、平泉で詠んだ句です。先週、誰もいないグランドに立ちふとこの俳句を思い出しました。あれだけ元気に声を上げていた3年生が去ったことを痛感しました。
どの部も最後は壮絶であり、また、悲しいものでした。
それは野球会場の出来事でした。2回戦、相手は優勝候補の犬山中です。相手ピッチャーの出来から言ったなら1点でも重いです。それが6点ともなると・・。正直、ここまで点数があくとは思いませんでした。前日の扶桑中戦が延長、さらに特別ルール、そして今日の雨の中での連投。エース伊藤君はもう限界かもしれなかったです。7回表、東猴先生は突然、エースを降ろしベンチに下げました。そして外野手も交代させベンチから2人の部員を出します。7回裏は代打攻勢と言うより、これまた、試合に出られなかった部員を並べました。最初、何が起きているのかわからなかったです。
東猴先生、見事な幕引きです。昨年まで自分が教えてきたチームで、あの投手から6点を取るのは無理と6回が終わった時に悟られたと思います。どうせ散るなら、思い残すことなく、今まで指導についてきてくれた3年生全員にせめて試合に出させてやろうと考えられたと思います。104日の監督と部員の間にしかわからないこともあると思うのです。いつも勝ちにこだわって最後の最後まで諦めない東猴先生が選んだ幕引きです。相手への敬意と部員への想いに満ちた東猴先生の幕引きに涙が止まらなかったです。
雨の中、試合が終わりました。彼らの夏が終わりました。整列してグランドを出るまではみんなこらえていたんですが、グランド出て、みんな泣き出しました。人目をはばからず泣きました。
このように多くの会場で涙する本校の生徒をみてきました。サッカー部の試合終了の整列後、菅原君や伊藤君がこれで終わりかと信じられないような顔でうつむいていました。吹奏楽部の子達も、銀賞と聞いた瞬間涙したと聞きました。多くの部員が涙した夏の大会でした。
生徒諸君、それぞれの部活の思い出、大切に包んでください。そしてここで得た仲間の素晴らしさ、努力する大切さ、そして負けた悔しさ忘れないでください。きっと君たちの人生を支えると思います。
最後に君たちに言葉を贈ります。
「悔しさがあれば頑張れる 夢があればもっと頑張れる」また次の目標に向かって頑張りましょう。