朝会より 【天国から地獄に墜ちて】
- 公開日
- 2014/11/17
- 更新日
- 2014/11/17
校長室から
高校時代の切ない話を聞いてください。隣の席に身長166センチの恥ずかしがり屋の彼女がいました。なんとか親しくなれないかなと思ってました。夏の英語の宿題で早く頑張ってノートを写させてあげようと思いました。そしてノートの最後にお礼の言葉ここに書いてねとスペースを空けておきました。彼女はそこには書いてくれませんでしたが手紙が添えてありました。鉛筆で手形を取ってください。と書いてありました。手袋作ってくれるんだとすぐわかりました。後からいただいた手袋無茶苦茶大きくて指の上が降り曲がるくらいでした。
彼女の誕生日にはオルゴール作ってあげました。ある日、彼女に「将来、何になるの?」と聞かれました。「体育の教師になる」と答えると「先生か・・・、きっと良い先生になるよ。きっとなってね」と言われました。この時は幸せの絶頂でした。そして、地元に残ろうと必死に勉強もしました。
しかし、幸せとは長続きしないもので、卒業間近の3月に彼女から急にさよならを告げられました。たった6ヶ月で天国から地獄です。人は楽あれば苦ありと言いますが、恋に関しては楽しいことあればその何十倍の苦しみありです。自暴自棄な自分がそこにいました。何のために頑張って来たのだろう。これからどうすれば良いのだろう。逃げるように故郷を出ました。東京での生活は悲しさから始まりました。忘れようとしても忘れられない、しかし、思い出す中で彼女と約束した『立派な先生になる』これにたどり着くのです。このままなさけない男で終わりたくない、見返してやりたい、それから勉強しました。友達も多く作り、遊びもしました。忘れるためです。
月日が流れました。大学4年の時、一枚の教員採用の合格通知が届きました。これで全てが終わった気がしました。あの日の約束が全てだったように思います。
男性にとって女性は、女性にとって男性は大きな影響を与える存在で、ある意味怖いものがあります。でもそれ以上に人を好きになることは自分を成長させてくれることにつながると思います。どうか将来、どんどん人を好きになってください。