彼との約束 「俺、絶対、不良にはならないよ」
- 公開日
- 2015/04/07
- 更新日
- 2015/04/07
校長室から
それは1年と10ヶ月も前の話です。当時1年生だった彼は、上級生とトラブり、怒りをかいました。その場しのぎの嘘もあったかと思いますが、この生徒が無事に卒業していくのか心配になりました。おまけに部活はこれで辞めると言い出すし、生活が真面目になっていく要素がなくなってしまった感じさえしました。
唯一、最後の最後にすがったのは彼との約束です。
■:「先生、俺、絶対不良にならないよ」
□:「本当かよ?」
■:「うん、ならない」
その約束、今でもしっかり覚えています。それから、1年と10ヶ月、彼は生徒指導で名前が出てくることは一度もなかったです。門で会っても「元気でやっているか?」というと「はい」と返事をしてくれます。彼もあの約束覚えているんだと思うと嬉しくなります。気が付けば、心配した彼でなく、独り立ちし安定した、たくましく育った3年生の彼です。あの日、彼と約束した日、懐かしく覚えています。二人だけの秘密です。