学校日記

「今は、そして未来は平和でしょうか?」 高校3年生、知念捷(ちねんまさる)さんの朗読より

公開日
2015/06/24
更新日
2015/06/24

校長室から

昨日、沖縄は沖縄戦没者を追悼する「慰霊の日」を迎えました。1945年に3カ月近く続いた旧日本軍の組織的戦闘が終結してから今年で70年になるのです。今年は何故かテレビで沖縄の戦時下の悲惨さを多く報道されていました。考えれば歴史を伝えられる方も少なくなったことへの危機感なのでしょうか。観られた方も多くみえるのではないでしょうか。この戦争で4人に1人が亡くなられていることに悲しみを隠しきれません。
二度とこのような悲惨な戦争は起こしてはいけないと改めて心に誓う日となりました。

さてこの追悼式で沖縄県立与勝(よかつ)高校3年の知念捷(ちねんまさる)さんが、自作の平和の詩「みるく世がやゆら」を朗読されました。精悍(せいかん)な顔立ちの知念さんが何度も問いかけられたのは、「今は、そして未来は『みるく世がやゆら』(平和でしょうか)」でした。

朗読では、沖縄戦で22歳の夫を失った祖父の姉をモデルに語られました。祖父の姉は知念さんを幼いころからかわいがられたそうですが、最近は認知症にかかられたそうです。その祖父の姉が何度も口にするようになった歌は「軍人節」なんです。戦争に出兵した夫を待つ妻の悲しさを歌った歌です。彼は祖父の姉を見るたびに戦争の恐ろしさや儚(はかな)さが脳裏に浮かんだと思います。あの戦争から70年も経ち体験者が年々減り、当時の記憶が薄れていくのが現実です。それでも「忘れてはならぬ 彼女の記憶を 戦争の惨めさを」と思いを込め朗読されていました。


参照:朝日新聞デジタル
「今は平和でしょうか」沖縄戦没者追悼式 平和の詩全文より
http://www.asahi.com/articles/ASH6Q6GR8H6QTIPE039.html