校長です。小学校４年の時でした。
校長です。友達数名で神社で遊んでいたんです。
校長です。そこへ変なおじいさんが入ってきたんです。
校長です。身なりはお世辞にも綺麗とはいえない人でした。

校長です。誰だろうと遊びながらも気にしていました。
校長です。すると賽銭箱に手を出したのです。
校長です。賽銭箱のお金、かき集めているのです。
校長です。一瞬、目を疑いました。
校長です、犯罪を目にしたのは初めてのことでした。

校長です。そしてそのおじいさんが去っていきました。
校長です。一番、年上だったのでみんなが聞いてきました。
校長です。家に急いで帰り、警察に１１０番しました。
校長です。すぐに神社に戻り、警察を待ちました。

校長です。パトカーが来て後を追いかけることになりました。
校長です。僕もパトカーに乗ることになりました。
校長です。そして、何キロか走ったと思います。
校長です。目の前にももう一台のパトカーが現れました。
校長です。子供ながら挟みうちをしたのがわかりました。

校長です。警察の方も誰か目星が付いていたようでした。
校長です。一軒の小屋に行きました。
校長です。そこには先ほどのおじいさんがいました。
校長です。この人に間違いないかと聞かれました。

校長です。そのおじいさんは目の前で捕まるのです。
校長です。目が合った時はドキッとしました。
校長です。家の中、ほとんど見えました。
校長です。一人で貧しい生活をしてみえることわかりました。
校長です。『お金無いんだ』とすぐわかりました。

校長です。もう英雄気取りした自分はそこにはいませんでした。
校長です。一人で生きてみえるおじいさんが可愛そうに見えました。
校長です。電話したことを悔やみました。
校長です。自分がおじいさんに悪いことしたように感じました。
校長です。この話は当時、誰にも話すことができなかったです。

校長です・・・、校長です。