校長です・・・、校長です 807 【生徒と暮らした若者の先生】
- 公開日
- 2016/09/23
- 更新日
- 2016/09/23
校長室から
校長です。世間では信頼失墜させる教師もいます。
校長です。ハレンチな教師などいるもんです。
校長です。でも、本当に一部、嫌、一握りなんです。
校長です。真剣に生徒に向き合っている先生がほとんどです。
校長です。一人の若者の先生、忘れられません。
校長です。当時、新任から数年経った先生でした。
校長です。若者君、3年生の担任をしていました。
校長です。クラスに母親と暮らす一人の生徒がいました。
校長です。お母さんと二人の生活でした。
校長です。年の瀬の12月のある日のことでした。
校長です。悲しいことか、そのお母さん亡くなられるのです。
校長です。癌でした。
校長です。葬式後、話し合いました。
校長です。どこに彼を引き取るかという話です。
校長です。どこか施設にでもという話も出たのです。
校長です。みんなで悩んでいる時でした。
校長です。担任の若者君が言うのです。
校長です。「僕がアパート借りて一緒に暮らします」と。
校長です。これにはみんな驚きました。
校長です。二人の生活が始まりました。
校長です。お互いが大変だった気がします。
校長です。一緒に生活するというのは簡単なことではありません。
校長です。家に帰れば親代わりの彼です。
校長です。食事の準備なども、のしかかってきます。
校長です。若者君、聞けばいつも「楽しいよ」と答えます。
校長です。そして、3月、卒業式を迎えるのです。
校長です。若者君が読み上げる中にあの彼もいます。
校長です。大きな彼の返事が体育館にこだましました。
校長です。多くの仲間の先生方、心から思ったのです。
校長です。『ご苦労様でした』と。
校長です。彼の旅立ちの日でもありました。
校長です。忘れもしない卒業式でした。
校長です。彼は卒業後、住み込みで働きました。
校長です。今では3人のお父さんです。
校長です。幸せにやっていると聞いています。
校長です・・・、校長です。