続 時代の先を読む力 −2−
- 公開日
- 2015/04/06
- 更新日
- 2015/04/06
校長日記
入学式を無事終えました。
壇上に立つと、伝統の重みを感じます。
伝統をひもとき、新たな伝統を築きあげる人、それが時代の先を読む人です。
その人物を紹介しています。
愛知県の製造品出荷額は40兆円を越え、36年連続全国第1位。(画像上)
2位の倍以上です。
その原因の一つが、第7代尾張藩主 徳川宗春の積極政策。
吉宗による倹約令で景気が停滞していた頃、尾張だけが好景気で日本中から職人が職を求めて集まってきたのです。
特に、東照宮祭で使用される山車のからくり人形については、全国から集まった職人が技を競い合いました。それが、尾張各地にも広まっていったのです。
犬山祭の車山もその一つです。
からくり人形というのは、ぜんまい、歯車、滑車、カム等を組み合わせて動かします。
このノウハウが、機織り機にもいかされました。それが豊田式自動織機に受け継がれ、トヨタ自動車へと発展しました。
時計や航空機、鉄道車輌も同様です。このことは、次回に触れます。
ものづくり立国・愛知は、徳川宗春によってもたらされたのです。
歴史的事実としては、宗春は吉宗によって謹慎を命じられ、歴史の表舞台からは姿を消します。
しかし、その影響は今もはかりしれません。宗春の、時代の先を読む力により、愛知の繁栄があるのです。
この後、この争いは田沼意次 VS 松平定信 に受け継がれます。
田沼意次は宗春同様、重商主義、積極経済の道を選択します。
それに対して、松平定信が緊縮財政、風紀取締りの道を歩みます。
歴史は繰り返すのです。
画像の出典を紹介します。
上:「NPO法人 宗春ロマン隊」
宗春を応援する人々によるサイトです。
http://muneharuroman.web.fc2.com/muneharu.html
中:「日本経済のネタ帳」
社会科教師には定番の統計サイトです。
http://jp.ecodb.net/ranking/C3401.html
下:「日本史探究スペシャル 徳川吉宗 VS 徳川宗春」
BS−TBSの番組サイトです。2人の攻防が書かれています。
http://www.bs-tbs.co.jp/rival/bknm/23.html