学校日記

【校長日記】 金融経済教育研究会

公開日
2015/04/19
更新日
2015/04/19

校長日記

 昨日は、平成27年度 第1回 金融経済教育研究会へ行って来ました。
 会場は名古屋市・栄の名証ホールです。

 金融経済教育研究会とは、中学校・高校・大学の社会科担当が中心となっている研究会です。会員は百数十人はいると思うのですが、今回の参加者は30名ほどでしょうか。
 年7回ほど、経済・金融の専門家を招いて講義を聞く勉強会です。夏の工場見学はとても魅力的です。 

 第1回の講師は、次のお二人でした。

愛知淑徳大学ビジネス学部 学部長・教授 真田 幸光先生
演題「本当に終焉を迎えているのか」

大和総研 経済調査部 シニアエコノミスト 山崎 加津子先生
演題は「ギリシャだけでない、ユーロが抱える課題の本質」

 どんな勉強をするの?という質問が聞こえてきそうです。

 真田幸光先生の講義を聴いて、私が理解したことを一部紹介します。 

−−−−−−−−−以下内容−−−−−−−−−−

 今の経済は、1944年のブレトンウッズ体制が続いている。

 ・IMFは今も残っている。
 ・IBRDはWBGに(含む アジア開発銀行等)、
 ・GATTはWTOに変わったが残っている。
 いずれも、第二次世界大戦の戦勝国の論理が生き残っている。特に英米だ。

 言語・通貨・法律・製造基準・会計基準が、戦勝国基準だ。

 たとえば、言語は英語。かつて、冷戦中は、ベトナム、モンゴルへ行ったときははロシア語だった。今では、ベトナム、モンゴルのエリートは英語を話す。

 通貨はドル。これも、かつてはルーブルも強かった。

 法律は英米法。根拠法が英米法になるのでビジネスでは注意が必要だ。裁判権も根拠法が英米法。何かあると、裁判を英米ですることになる。英語が使えなければ不利。思考回路も英米後でなければ裁判では勝てない。

 製造基準も冷戦後強化された。ISOが入ってきた。JISという立派な製造基準があったが、今ではローカルルール。ISOがなければ通用しない。

 会計基準も企業の成果基準だ。時価評価に変え、企業を丸裸にする。欧米から監視できるようになった。

 冷戦が終結し、アメリカは唯一の超大国になり、ユニラテラリズム(単独行動主義)になった。 
 それに対する不満がたまり、2001年、同時多発テロで逆襲に出た。アメリカの秩序を壊しにかかった。
 壊れはしなかったが、揺らいだアメリカは、テロとの戦い名目で諸国にすり寄った。そこで力を付けたのがBRIC's
 何といっても人口が多く、潜在的な労働者・消費者の数が多く、成長の可能性がある。秩序がある程度整っている。それが中国で、爆買いが起こっている。
 かつてはG7と言ってきた。2000年くらいまでは中心だった。しかし、2008年頃からG20が中心。その中にBRICSが入ってきた。Sは南アフリカだ。

 先進国はインフラ需要が弱い。だから先進国というのだけれど・・・。消費財ももう売れない。だから低成長。
 これだとアメリカはやっていけない。だから消費を作る。国民に借金をさせて消費をさせる。信用創造で消費を招くのである。それがカード、自動車ローン、住宅ローンだ。
 サブプライムローン問題で、リーマンブラザーズが倒産したのは記憶が新しい。
 こうなると、貸し手は貸し出しの自主規制をする。そうすると消費が止まり、売上高が減少した。

 日本も同じだった。政府は、財政出動という景気対策を行った。ギリシア、ポルトガル、イタリア、オランダも国債を発行した。これが、今のギリシア問題の根っこだ。        
 世界は、実体経済1にたいして、金融経済は20だ。
 実体経済とは、世界のGDPの合計で、2013年は75兆ドルほど。しかし金融経済はその20倍ある。だからバブルだ。
 余剰資金は投機資金。株・不動産に回る。・・・・・ 

−−−−−−−−−内容終わり−−−−−−−−−−

 いかがですか?分かりましたか?
 きりがないので、このあたりでやめておきますが、社会科教師の私には面白い内容です。

 このあとは、なぜ原油安になったのか。
 AIIB(アジアインフラ投資銀行)は、米中心の国際金融に喧嘩を売るもの。イギリスとその連邦国が参加したのでアメリカはあわてた。
 米ドルには担保がないこととビットコインの関係・・・・などなど、「経済はロジックの積み重ね」という事を学びました。

 そして、予測する力が大切で、予測できる人になりなさいともいわれました。

複雑な事象を単純化して説明する真田先生の力には本当に感心します。


 もう1人の先生は、難解な経済用語がいろいろ出てきて、しかも早口で、頭がパニックになりました。
 分からないこの気持ちがよく分かりました。

 次回は、5月16日(土)。
 私の大好きな野村総研の奥田 誠先生による「円安が追い風?世界を席巻する”Made in Japan”」
 そして、日本エネルギー経済研究所の森田 裕二先生による「変貌する内外のエネルギー事情と我が国の課題」です。

 興味のある方は、私(校長)までご一報を・・・

 今から、恵那峡ハーフマラソンを走りに行ってきます!