さきほどの図は人に見えましたか？

私は、広隆寺の弥勒菩薩を連想しましたが、みなさんはいかがだったのでしょうか。

「人に見える」（人間反応）を示した子の出現率を比べたのが次の図です。

実は、「人に見える」ことは、それだけ脳が発達しているということなのです。

ご覧の通り、現代の子は、昔と比べると、明らかに劣っています。

中学生になって、追いつくのがやっとのレベルです。

しかも、前回述べたように、全体を見る割合は過去の子よりも高いのです。

全体を見ているのに、人に見えない。

なぜなのでしょう？

松本先生によれば、今の子は小さい頃から具体的な情報を数多く得ているために、漠然としたものから具体的なものをイメージする力が育っていない、ということなのだそうです。

だから、人のようなものを「人」と結びつけられないのです。

偏った情報だけでは、人は育たないことをよく表しています。

小さい頃から、イメージを膨らませる習慣づけが大切なのですね。

※　なお、ここで紹介したスライドは、松本先生ご本人から掲載許可をいただいています。