【校長日記】 「AさせたいならBと言え」
- 公開日
- 2015/06/01
- 更新日
- 2015/06/01
校長日記
「AさせたいならBと言え」
これは、本校の現職教育のアドバイザーでもある岩下 修先生が、30年近く前に書かれた本の書名です。
教育界では、格言とすらなっている有名な言葉です。
子供への指示は、直接的なものより,間接的なものの方がより効果的な場合があるのです。
例えば、「こちらを向きなさい。」と言うよりも、「おへそをこっちにむけてください。」と指示した方がはるかに効果的であることは、教師なら誰でも知っています。
今日の朝礼も、「整理整頓しましょう」といえばそれで終わりですが、ほとんどの児童は、おそらく数時間後には、朝礼で何を言われたかを覚えていないでしょう。
大人でも同じです。
「もう、何回も聞いているよ。」「そんなこと知っている。」
こんな言葉が聞こえてきそうです。
記憶に残すための動機付けも、驚きもありません。
「Aさせたい」Aにあたる言葉は、子どもにはすでに何度も聞かされている言葉なのです。
それを「Bと言え」というBという言葉を出せるかが教師の力なのです。
そのBとは、驚きや新しい発見があったり、具体的であったり、ユーモアがあったりして、子どもの印象に残るものなのです。
先週月曜日に学校訪問があり、教室環境が意識されました。
それを少しでも維持したいというのが、私の中の「A」なのです。
しかし、それを「整理整頓を続けましょう!」といっても、覚えてもらえません。
そこで、私は、Bを「整理 と 整頓 違いは何?」と発問したのです。
さらに、「周囲で話し合ってごらん」と促しました。
これは思考を促し、より印象を深める手立てです。人は、思考しながら聞いたことは記憶に残るのです。
「整理整頓」が大切なことは誰でも知っています。
ここでは、印象に残ることが大切なのです。
そこで、思考(話し合い)をさせた後で、正解を告げて、よい場面の写真をたくさん見せたのです。
さて、私が考えた「AさせたいならBと言え」はうまくいったのでしょうか。
それは、これから、ロッカーやくつ、掃除道具、トイレのスリッパの整頓を見て回ればはっきりとします。
さて、今朝の朝礼の効果はいかに・・・・。