学校日記

【校長日記】  自分の価値を見失う時

公開日
2015/06/16
更新日
2015/06/16

校長日記

 昨年、名古屋市博物館で国際浮世絵学会創立50周年記念 大浮世絵展が開かれました。
(画像はそのときのHPです)
 浮世絵大好き人間である私も見に行きましたが、世界各地の美術館から集められていました。
 日本にも浮世絵の名品は残ってはいますが、優美品の多くは世界の美術館にあるのです。

 そうです。
 日本人が浮世絵の価値を見失い、大量に海外に流出したのです。

 みなさんもご存じのように、ゴッホやモネは、そこで流出した浮世絵に影響を受けたのです。
 なかでも、ゴッホは、残っているものだけで、477点の浮世絵を収集しています。
 彼の絵は、生涯で、1枚しか売れなかったと聞いています。
 貧乏でありながら、それだけの数の浮世絵を買いまくったのです。

 いかにゴッホが浮世絵の価値を重視していたかがわかるエピソードです。


 なぜこんなことを書くかというと、誰しも、一度は自分の価値を見失いそうになる時期が来る からです。

 それが思春期 です。

 早い子だと、小学校高学年にその時期が訪れますが、特に中学校に入ると顕著です。

 教科学習では成績(順位)が細かく出て、部活動では競い合い。
 それまで自分でできたと思っていたことに対して、自分より上がいることにショックを覚えるのです。
 そうして、自己肯定感をなくしていくのです。
それが、時として、自分の良いものすら見失ってしまうのです。

 程度の差はありますが、この時期は誰にでもきっと来ます。
 そのときに、親として、教師として、どのような言葉かけができるのか、そこは大きなポイントです。

 昨日の宮田中学校の校長先生の朝礼の話は実感できます。
  http://www.schoolweb.ne.jp/weblog/index.php?id=2320018

「中学時代に自分の思うようにはすべてはいかない」

「努力したら報われるということはない」こともある


 最後に次のように結ばれています。

「一生懸命やって、それでだめなら自分で自分を褒めてやれ。でもそこには失ったものに代わる、いや、それ以上のすばらしいものが育っている」

 その通りなのです。