学校日記

【校長日記】 色丹島訪問記 −16−

公開日
2015/08/03
更新日
2015/08/03

校長日記

夏休み中を利用して、平成25年度 北方四島交流訪問事業(教育関係者・青少年)の報告をしています。
このペースでは、8月いっぱいで終わるかどうか心配になってきました。

文化会館の前には、ひときわ目を引く建設中の建物がありました。これは病院です。(写真上)

前に看板がありました。(写真中)

セディフ穴澗村長によれば、比喩かもしれませんが、「韓国が資本を出し、現場監督は中国人で、労働者は北朝鮮の人」と言っていました。

私は直接見ていませんが、同行した日経ビジネスの鵜飼秀徳記者が記事に載せています。
それが、写真下です。北朝鮮人と思わせる労働者の写真を撮っています。
 引用元 http://blog.goo.ne.jp/syaraku0812/e/443e1abac50dc1e35e261484958ccf70

これが、今の北方四島の経済状況を表す象徴的な写真です。

工事がなかなか進まないと言っていましたが、その工事でさえも、サビを落とさないでそのままペンキを塗るようなレベルの作業です。

日本の企業が入るなら、もっと丁寧に、もっと早く造ってしまうでしょう。

昨年の訪問団の報告のなかにも、「早く日本の管轄になって大胆な開発を進めてほしい」という国後島の住民の声がありました。

2013年4月29日、ロシアを公式訪問中の安倍晋三首相は、クレムリンでプーチン大統領と会談し、停滞している北方領土交渉の再開を盛り込んだ共同声明を発表しました。
「第2次世界大戦後67年を経て日ロ平和条約が締結されていない状態は異常であるという認識で一致」と明記しました。

しかし、ウクライナ情勢により、中断しています。

日本は、ロシアの液化天然ガス(LNG)の輸入拡大を期待しています。ロシアも、欧州向けガス輸出が低迷するなか、アジアへの供給を増やしたい思惑があります。

その他、エネルギーや農業、医療技術・機器、インフラ整備などの幅広い分野で、ロシアの資源と日本の技術を活用し、共に利益を得られるような官民共同の事業を推進したいのです。

それが、領土問題の関係で、特に四島内では進まずに、韓国などの第3国が入り込んでいるのです。

2015年6月20日「プーチン大統領、安倍首相との会談に意欲 北方領土巡り」というタス通信の記事を朝日新聞が伝えています。

島民のためにも、日本のためにも、前進があることを期待します。