学校日記

【校長日記】 色丹島訪問記 −17−

公開日
2015/08/04
更新日
2015/08/04

校長日記

夏休み中を利用して、平成25年度 北方四島交流訪問事業(教育関係者・青少年)の報告をしています。
8月いっぱいで終われるようがんばります。

今日からしばらくは、穴澗初等中等学校 を視察した時の様子を紹介します。

穴澗村は人口1000人ちょっと。
この穴澗初等中等学校は、1年生から11年生までが通う、小中高一貫の学校で、約110名の児童生徒が学んでいます。
小学校4年、中学校5年、高校2年です。
高校だけは、サハリンなどの学校に通う生徒も一部いるそうです。

ここで、ロシアの教育制度 について、簡単に触れておきます。

ソ連が解体した翌年、1992年からは4・5・2・5制の新しい教育制度が導入されました。

ソビエト時代の教育制度では、国の方針で、職業訓練を重視した授業が行われていました。
しかし、新しい制度では、それまでなかった私立の学校も少しずつ増え、教養を身につけるための多様な授業を受けることができるようになっています。

義務教育は最初の9年間(初等学校+基礎学校)ですが、その後の2年間を含めた11年間を一貫教育で行うケースが多いのがロシアの特徴です。この穴澗初等中等学校もその一つです。
 
義務教育を修了した生徒は、一般に大学進学を目指す高校に進むコースと、専門学校に進むコースを選びます。
高校を卒業した生徒の大学進学率は80%を超え、大学生の数も増えています。
ただ、この穴澗初等中等学校の卒業生は、100%大学に進学します。
大学は色丹島にはなく、全員がサハリンや大陸へ行くことになります。
数年前には、日本のお茶の水女子大学へ進学した生徒もいました。

それでは、穴澗初等中等学校の中に入ってみましょう。

今回案内をしていただいた、オレイニコワ教頭先生(写真中)です。

聞き間違いかもしれませんが、「この学校に50年勤めている」と聞こえましたが???
たぶん聞き間違いです。
ロシアには、人事異動はありません。
一度赴任した学校に、最後まで勤めます。

奥の個室はなんでしょう???

お仕置き部屋?

いいえ、更衣室でした。

続きます。