学校日記

【校長日記】 駅名物語

公開日
2015/08/28
更新日
2015/08/28

校長日記

夏休み中は、社会科に関係のある雑学を紹介しています。

今日は、駅名物語 です。

かつて、修学旅行の職場訪問で東映東京撮影所へ行ったことがあります。
「忍者戦隊カクレンジャー」の着ぐるみ?衣装?が脱いであり、リアリティを感じました。

そこへ行くには、西武池袋線大泉学園駅で降りてから歩きます。

ついでに、大泉学園へ行こうと思ったのですが、交番(当時は派出所)で尋ねるとそんな学校はどこにもないのです。

えっ、なぜ?


調べてみると、そのあたりは学園都市として開発が計画されていたところで、当時は今の現筑波大、東京学芸大を誘致する予定だったそうです。誘致に失敗して、名前だけが残りました。

これはおもしろいと、他を探してみました。

「女子大駅」 (上写真左)は、千葉県佐倉市にある山万ユーカリが丘線の駅です。
 
和洋女子大学の移転誘致 を見越してこの駅名を付けましたが、移転は中止になり駅名だけが残りました。

まだまだありますよ。

学芸大学駅 は、東京都目黒区、東急東横線の駅です。
東京学芸大学は40年以上前に小金井市へ移転しましたが、いまだに名前だけが残っているのです。

時々、大学受験で間違えてここに降りる受験生がいるそうです。

その隣は「都立大学駅」 (上写真右)という駅名ですが、学芸大学駅と同様、同名の大学は移転しました。

それどころか、都立大学の名も「首都大学東京」と変わっているので、学校そのものが存在しません。

駅名の根拠は全くなくなったのです。

駅名の変更はそれほど難しいのです。

商店街の名や数々の看板、地域への浸透度等、いろいろ加味すると駅名を変えない方がメリットが大きいと判断したのでしょう。


東京メトロの「三越前」 という駅名に違和感を感じませんか?

バス停ならともかく、鉄道の駅名に企業名が付くというのはなぜ?

すごく宣伝になりますね。

調べてみました。

この駅は、直通出入口を設けること等を条件に、建設資金を三越が全額負担したのです。

当時資金難だった東京地下鉄道としてはありがたい話で、駅名も「三越前」(写真下)
になりました。

銀座線ホームの壁面には、三越の「三」をモチーフにした赤い3本線が引かれ、日本初の駅エスカレータが備えられるなど、異例に豪華な内装が施されたそうです。

この結果、三越はさらに賑わい、大当たりだったそうです。

他にも、東京地下鉄道では上野広小路駅と松坂屋、日本橋駅と高島屋・白木屋、京橋駅と明治屋、銀座駅と松屋・三越の5駅が、百貨店側の資金提供を受けて建設されました。

現在もアナウンスにはスポンサー名が入れられています。

他には?

ありました。

近江鉄道には、「京セラ前駅」「フジテック前駅」「スクリーン駅」というのがあります。

スクリーン駅は、大日本スクリーン製造が従業員の通勤の利便性を目的に、駅の設置を近江鉄道に要望し、約1億円の設置費用を提供して敷地内に設けられた駅です。
だから「前」という字がありません。

駅名板の下に広告を載せる会社も増えてきました。

駅名が企業名だらけになる時が来るかも…

たかが駅名、されど駅名ですね。



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