【校長日記】 なぜ遠足に行くのか?
- 公開日
- 2015/10/15
- 更新日
- 2015/10/15
校長日記
これまでに、自然教室、運動会の法的根拠を説明してきました。
今回は、なぜ遠足に行くのか ついて説明します。
学校教育法 第4章に小学校について規定されており、
第三十三条に次のようにあります。
小学校の教育課程に関する事項は、(中略)文部科学大臣が定める。
その定めたものが学校教育法施行規則 です。
第二節に次のようにあります。
国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭及び体育の各教科(以下この節において「各教科」という。)、道徳、外国語活動、総合的な学習の時間並びに特別活動によつて編成するものとする。
ここに、「特別活動」 という言葉が出てくるのです。
これらの教科・領域を説明するのが「学習指導要領」 です。
その小学校学習指導要領「第6章 特別活動」の「第2 各活動・学校行事の目標及び内容」に次のようにあります。
[児童会活動]
[クラブ活動]
[学校行事]
[学級活動]
特別活動は、この4つから成り立っているのです。
ついに[学校行事] という言葉が出てきました。
その[学校行事]は、さらに5つに分かれています。
(1)儀式的行事
(2)文化的行事
(3)健康安全・体育的行事
(4)遠足・集団宿泊的行事
(5)勤労生産・奉仕的行事
この(4)遠足・集団宿泊的行事が、文字通り遠足にあてはまります。
次のように説明されています。
自然の中での集団宿泊活動などの平素と異なる生活環境にあって,見聞を広め,自然や文化などに親しむとともに,人間関係などの集団生活の在り方や公衆道徳などについての望ましい体験を積むことができるような活動を行うこと。
これを目的に、遠足を行うのです。
これをさらに詳しく説明したものが「小学校学習指導要領解説 特別活動編」 です。
校外の豊かな自然や文化に触れる体験を通して,学校における学習活動を充実発展させる。また,校外における集団活動を通して,教師と児童,児童相互の人間的な触れ合いを深め,楽しい思い出をつくる。さらに,集団生活を通して,基本的な生活習慣や公衆道徳などについての体験を積み,互いを思いやり,共に協力し合ったりするなどの人間関係を築く態度を育てる。
遠足・集団宿泊的行事では、4つ例示しています。
遠足・集団宿泊的行事には,遠足,修学旅行,野外活動,集団宿泊活動などが考えられる。
これ以上は、遠足についての細かい記述はありません。学校に任されているのです。
学校で行っていることのほとんどは、法令で定められているのです。
ところで、韓国の水原市「華城」へ行った時、小学生が遠足に来ていました。ちょうど、弁当を食べていました。
その光景は、そこだけ切り取れば、リュックサックの色彩感といい、丸くかたまって食べることといい、全く日本と同じ風景です。
感心していると、「日本の統治下にあった時に、遠足の文化が広まり、定着した」と説明されました。
きっかけは日本文化の押しつけであっても、よいものは残るということですね。