【校長日記】「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS)
- 公開日
- 2016/11/30
- 更新日
- 2016/11/30
校長日記
昨晩、「国際学力調査 日本、平均得点過去最高 理数5位以内」という見出しのニュースが流れました。
これは「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS)というもので、IEA(国際教育到達度評価学会)が実施しているものです。
日本は小4の算数・理科、中2の数学・理科の4教科全てで平均得点が過去最高で、順位も全教科で5位以内に入り、11年実施の前回同様上位を維持しました。
写真は、中日新聞から引用しました。
TIMSSは、算数・数学と理科の基礎的知識などの定着度を測る調査で4年ごとに実施されています。
今回は小4が50カ国・地域、中2が40カ国・地域の、計約52万人が対象です。
国内は無作為で選ばれた295校の約9000人が参加しました。 現行方式になった1995年調査の国際平均を500点に設定し、相対的な変化を比較できるようにしています。
国際学力調査にはもう一つあります。
OECD生徒の学習到達度調査(PISA)とよばれるもので、OECDが実施しています。
こちらは、義務教育修了段階(15歳)において、これまでに身に付けてきた知識や技能を、実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかを測るものです。
読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3について、生徒質問紙、学校質問紙による調査を実施しています。
現在、日本で実施している全国学力学習状況調査は、このPISAに影響されて始まりました。いわゆる「B問題」というのは応用力を測るもので、PISAの問題とよく似ています。
とくにPISAでは、選ぶ学校によってずいぶん結果が変わります。
個人的には、数字に振り回されないようにしたいと思っています。
私が注目しているのは、2012年のPISA「科学的リテラシー」で65カ国中37位のロシアです。
平均得点も、全体の平均501点と比べても、15点下回っているのです。日本は547点でした。
それが、TIMSSの小学4年生理科では、2015年では日本と2点差しかありません。
ここから、ロシアが小学校教育に力を入れていることがわかります。
PISAでも、いずれ上位に上がってくるのではないでしょうか。
PISAの結果は、ここから見ることができます。
http://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/
TIMSSはPISAと比べてみると、違ったものが見えてくるのです。