「あきらめない心で〜ピアノとともに〜」−1−
- 公開日
- 2017/01/19
- 更新日
- 2017/01/19
校長日記
今日は、第2回 学校保健安全委員会を開催し、佐藤 香織 先生をお迎えしてお話と演奏を聴きました。
お話の概略です。
佐藤先生は、小学校5年生の時に、自転車に乗って遊びに行く途中、自宅近くで車にはねられました。脳挫傷、頭蓋骨骨折という瀕死の重傷で、10日間意識不明の重体でした。
奇跡的に意識が回復しましたが、事故前の記憶を5年分すべて失ってしまいました。
その中には、家族や友達との楽しい思い出、友達の名前、ひらがなや足し算、九九といった学校で学習したことも失いました。
弟や妹の教科書を使って、勉強をやり直しました。
そればかりか新しく覚えた知識も次々に薄れていきました。
そんなときに、習っていたピアノの鍵盤に触ったら自然と指が動いたのです。
それからは、ピアノの練習に励みます。
しかし、記憶障害のために、唯一の支えだったピアノでさえ、何度も練習した楽譜が消えていってしまいました。
コンクールは暗譜で弾かなければなりません。
それでもコンクールなどに挑戦し続けましたが、そこにはあまりにも辛い現実がありまた。
突然、記憶がなくなるのです。
石黒先生は、「あなたは人の5倍かかるかも知れないけれど、5倍練習すればできるようになる」と励ましてくださいました。
講演後にお話を伺いました。
「言葉は覚えていたけれど、文字は忘れていました。」
「母親は覚えていたけれど、父親はわかりませんでした。」
5年分の学習内容をやり直すだけでも、たいへんな苦労があったことがわかります。
明日に続きます。