学校日記

「あきらめない心で〜ピアノとともに〜」−2−

公開日
2017/01/20
更新日
2017/01/20

校長日記

昨日に続きます。

彼女を支えたのは両親や先生の励ましでした。
記憶障害のために薄れていく記憶を、練習を重ねて取り戻しました。
高校でも練習を続け、合格率1%と言われた音楽大学に見事に合格しました。


コンテストで要求される暗譜ができません。
それでも、レッスンを重ね、大阪国際音楽コンクールで見事ファイナリストとして演奏することができたのです。


現在は、横浜で音楽教師をしながら、ジャズピアノの勉強をしていらっしゃいます。
最後に次のようなことをおっしゃいました。

私は死んでいてもおかしくない事故にあったのに、命が助かったということには意味があると思っています。

私は普通の人より努力が必要ですが、その努力も私の生きがいです。
どんなことがあってもあきらめない心があれば、楽しい人生になるはずだと思います。

人生の中にはつらいことがたくさんありますが、「ダメダメ」とか「無理無理」と弱音を吐くのではなく「よし、精一杯がんばろう。」と思って一歩を踏み出す勇気を持って頑張ってください。
私の話が何かひとつでもみなさんの参考になればうれしいです。人生、楽しく生きていきましょう。


このあと、ピアノ演奏を聴かせていただきました。
フレデリック・ショパンの夜想曲第2番変ホ長調作品9-2
名曲です。
その他、星野 源の「恋」なども。

そして、佐藤先生の伴奏で「校歌」などを歌いました。
そても素晴らしい歌声でした。


校長室で次のように尋ねました。
「クラシックピアノとジャズピアノと何が違いますか?」
「クラシックは楽譜通り演奏するが、ジャズはコードがあるだけで、自分でアレンジしなければならない。」

私の好きなキース・ジャレットの話で盛り上がったあとで、さらに続けました。
「ジャズピアノは、ピアノの練習だけでなく、人生の深みみたいな、演奏技術以外のものも必要ではないですか?」
「だから、本場のニューヨークへ行こうと思います。本場の空気を吸ってきます。ブルーノートで感じてきます。」
「それはいい!きっと目に見えないところでプラスになります。名古屋のブルーノートはいきました?」
「こちらにいる時はよく行きました。秋吉敏子さんとか聴きました。」

「次の夢は何ですか?」
「ジャズピアノのコンサートを開くことです。」

障害を克服して自分の夢に向かって進む佐藤香織さん。

子どもたちにどう伝わったのか、楽しみです。