ありがとうの本より
- 公開日
- 2019/04/15
- 更新日
- 2019/04/15
そのほか
娘へ
晩ごはんのデザートに、甘い香りのメロンが出てきた。それと冷蔵庫からもうひとつ、栄養ドリンクの瓶がぼくの目の前にトンと置かれた。 「えっ、何!これ、なんで?」と意外な顔をすると 「なんかー、おとーさん、疲れたような感じやもん。」高三の娘はぼくと目が合うといつも、にこっと小さく笑う。 おこづかいの中から高いのを買ってきてくれた気持ちが嬉しくて、目の奥がじんわり熱くなってしまう。そのドリンク瓶は冷たいけど、ぼくの胸をじんわりと温め、明日の不安を吹き飛ばしてくれる気がした。ああでももう、涙でメロンが見えなくなった。ありがとう。
愛知県 55才 男性