親になるための勉強 〜就学時健診の日に〜
- 公開日
- 2006/10/24
- 更新日
- 2006/10/24
校長メッセージ
就学時健診の日の子育て講演会について書いてみます。
教職の免許を取得して学校に就職すれば,法律的に教師(教諭)になります。
けれども,それですぐに,子どもの心を豊かに育み,学習の指導ができるわけではありません。
常に研修が必要です。
これと似たように,
私たちは,子どもが授かれば法律的に親になります。
けれども,それですぐに,子どもの心を豊かに,健やかに育てることができる親になれるわけではありません。
やはり,親になるための,それなりの学習が必要です。
たいていの人は,学校で国語や算数を学ぶことはあっても,<子どもとの心の絆をむすぶコミュニケーションのあり方>については,ほとんどどこでも学ぶ機会がなかったと思います。
そこで,先日の就学時検診の日に,保護者のみなさんに「親になるための勉強」をしていただきました。
原田洋子さん(親業訓練インストラクター)を講師に招き,「自立する子どもを育てるために」 〜親の役割と心の教育〜というテーマで,1時間30分の講演を聴きました。
原田さんは冒頭,次のように切り出されました。
子育て真っ最中の人にお話したいと思っていました。いい機会を作ってくださり感謝しています。一方通行の形ではなくて,みなさんとコミュニケーションをとりながら,参加型でおこないたい。こんな方法を見つけたな,とか,知らない人と顔を知り合って友だちになれたな,と思って帰ってもらいたい。
その後,アイスブレーキングで自己紹介をし合ってほぐれたあと,次のような学習をしました。
① 親と子の愛着(絆)が形成されてはじめて,共感や同情ができる子になっている。自制することができ,肯定的な自己意識をもつことができる。だから,親子の間の絆をむすぶことは,人生最高のプレゼントです。
② セルフエスティーム(自己肯定感)の高い子は,交遊関係で良くない方向に流されそうになったときに,自分を自分の力で守ることができる。
③ 子どもの行動をみて困ったと感じる気持ちになったとき,人格を否定するのではなく,困っている事実だけに着目して,それを伝えていく。
④ 親の思いを伝えるには,<あなたメッセージ>よりも<私メッセージ>を心がけましょう。
⑤ 子どもが心を閉じる対応と心を開く対応があります。子どもの気持ちに対して子どもの気持ちで返す<言葉のキャッチボール>をするのです。ここぞというときには,ぜひ心を開く聞き方をしてください。
⑥ 「あなたはとても大切だよ。あなたが生まれてきてくれて本当によかった」というメッセージを,あなた自身の言葉で伝えてください。
いっしょに聴いた本校職員にとっても,とてもいい勉強になりました。
詳しくは,参加されたみなさんにおききください。
また,講演記録も近々ホームページで見られるようにする予定です。
(長瀬好文)