学校日記

11月3日(金) 2年生 かけ算の学習がはじまっています

公開日
2006/11/02
更新日
2006/11/02

授業

 2年生でかけ算の学習が始まっています。
 次のような問題を考えました。

【問題】 高さが5㎝のはこをつみます。
      4こつむと,ぜんぶで高さは何㎝ですか?

 教室では手順を踏んで,ゆっっくりと,かなり詳しくかけ算の意味が教えられます。
 ① 黒板の図を見て問題の意味をつかむ。
  ② “5の4つぶん”ということを理解する。
  ③ 空書きで5×4と式を書く
  ④ ノートに 5×4=  と書く。
  ⑤ 足し算で書くと,5+5+5+5=20であることを確認する。
  ⑥ こたえ 20㎝と書く。
 
 子どもたちはこうしたステップを踏んで,かけ算の意味をしっかりと教えられているはずです。
 では,子どもたちにかけ算の意味が本当に理解できているのでしょうか。
 
 試しに,5年生に次のような問題をやってもらいました。

 【問題】 5×4 で計算する問題をつくりなさい。

子どもたちはどんな答えを出したでしょうか。いくつか紹介しましょう。

 A 一袋5個入りのクッキーを4袋買うと,クッキーの数は全部で何個ですか。

 B 太郎くんは折り紙を5枚もっています。金太郎くんはその4倍もっているそうです。金太郎くんのもっている折り紙は何枚でしょう。

C あるクラスで5人ずつに別れてグループをつくったらちょうど4グループできました。さて,このクラスの人数は何人でしょう。

D 5個のかんがあります。一つのかんにお菓子が4個ずつ入っています。5このかんに入っているお菓子を合わせると何個でしょう。

E 子どもが5人います。一人に4個ずつみかんを分けると5人で何個いるでしょう。

F 5つの箱にクッキーが4個ずつ入っています。全部で何個あるでしょう。

 この中で,正しい答えはどれでしょうか。
 前半のA〜Cは正しいけれど,後半のD〜Fは誤りです。
 D〜Fは,5×4= ではなくて,4×5= で計算しなくてはなりません。
 このタイプの誤りが28人中で5人いました。

 実はこのような問題はけっこう難しいのです。
 横浜市の小学校15校,3年生から6年生までの1962名の調査では,どの学年でも正解者は50%に満たなかったというデータがあります。
          (佐伯胖著『子どもたちが熱くなるもう一つの教室』岩波書店)

 かけ算ぐらい簡単だと思われるかもしれません。
 しかし,その意味を正しく理解し,使いこなすことは案外と難しいことなのです。
 子どもに教える立場の者はこのことをよく心得ていなくてはなりません。