朝会より
- 公開日
- 2011/05/02
- 更新日
- 2011/05/02
校長メッセージ
昨日の雨が嘘のようなとても気持の良い日となり、この天候の下、朝会が行われました。この朝会で校長せ先生より「万引き」について話がありました。以下の通りです。
中学校の教師をしている時、2年生に小柄な、優しい女の子がいました。ある日、お店から電話があり、出かけてみると彼女はなんと店の物を取っていました。いわゆる「万引き」というものでした。とても信じられませんでした。それに取った物をみると、粘土と色紙でした。「どうして取ってしまったの?」と聞くと彼女は近くの小学生の面倒をみており、その子の母さんは夜遅くしか帰ってこないので、明日の用意が間に合わないからだと答えてくれました。
さて、みなさん、私たちは見えない糸でつながっています。それは信頼という糸です。だから、自分の物、すべてにひもをつけていなくても、取られないという安心の下で生活できるのです。ところが、心ない人が、店から商品を取ったり、友達のものを取ったりしてしまうと、この信頼という言葉が消えてしまいます。ものが消えた悲しみより、人を信じられなくなった悲しみの方が実に大きいのです。信頼という言葉が消えてしまうと、人間でなくなってしまいます。
万引きする時の自分の顔、想像つきますか?きっと怖い顔して、人間には見えないでしょうね。絶対にやってはいけないことと誓ってください。
そして、これだけ話してもわからない人、先生が買ってあげます。物は金で買えますが、信頼は金で買えませんから。
最後になりますが、あの小学生にために粘土と色紙をもってきてしまった生徒の件、先生は親には連絡しませんでした。あの彼女ならきっと気づいてくれたと思ったからです。