「偉くなりすぎた・・・」
- 公開日
- 2013/01/29
- 更新日
- 2013/01/30
校長メッセージ
アルジェリアでの人質事件では多くの方が亡くなられました。慎んでご冥福申し上げます。遺族の方々がテレビで取材に答えてみえました。その中で年配のお母さんだったでしょうか「偉くなりすぎた・・・」と、涙ながら小さな声で言われました。きっと優秀な自慢な息子さんだったでしょう。この絞り出された言葉が忘れられません。
このことでふと思うことがあります。近所で優秀な友達がいました。一流高校、一流大学と進み、世界を相手に飛び回る商社マンになりました。お母さんにとって自慢のお子さんでした。その家の父さんは25年くらい前に亡くなられており息子さんを頼りに生きてみえたと思うのです。
でも、その息子さんは東京に生活の基盤をおき、向こうでお嫁さんをもらい、何年間は海外生活でこちらには帰ってきません。自慢だった息子さん、成績も抜群だった息子さん、会社でも登り詰めて偉くなった息子さん。年老いてお母さんは今、どんな気持ちで息子さんを思ってみえるのでしょう。
これからの日本、こんな家庭が増えてくるのではないでしょうか。また、それは本当にお母さんが夢見た老後の生活だったでしょうか。
「偉くなりすぎた・・・」その言葉がいつまでも残ります。