校長です・・・、校長です 369 【 卒 業 】
- 公開日
- 2015/03/04
- 更新日
- 2015/03/04
校長室から
校長です。母さんが仕事から帰ってきた時です。
校長です。母さん、腹すかしている息子の彼に言うのです。
校長です。「ごめん、ごめん」と。
校長です。「すぐごはん作るからね」と。
校長です。この時、いつも彼は思うのです。
校長です。『ごめん、ごめんって仕事でしょ』と。
校長です。『俺のために働いているのでしょ』と。
校長です。仕事に行く前に洗濯です。
校長です。北風が母さんの体に当たります。
校長です。それでも懸命に洗濯物、干しています。
校長です。何も無かったように笑顔で言うのです。
校長です。「寒かった」と。
校長です。いつも母さんが教えてくれました。
校長です。辛さも笑顔に代えることを。
校長です。母さん、少しくらい熱があってもこう言うのです。
校長です。「大丈夫」と。
校長です。いつも心配かけさせない母さんです。
校長です。少年はいつも祈ります。
校長です。『俺には母さんしかいないから・・・。』と。
校長です。彼、高校進学勝手に決めたけど考えるのです。
校長です。『お金あるのだろうか』と。
校長です。『高校までは頑張ってくれ』と。
校長です。母さんに心の中で誓うのです。
校長です。『そこからは一人で頑張っていけるから』と。
校長です。彼は思うのです。
校長です。いつしか彼より小さくなった母さんに思うのです。
校長です。「ありがとう・・・。」と。
校長です。明日は卒業式です。
校長です・・・、校長です。