若い頃の話です。

友達と車で近くまで買い物に出かけました。３人で出かけたのですが、運転手の友達が前で、僕たち２人は後ろでした。快調に運転していた時、急に友達がハンドルを切り、何かを避（よ）けました。でも避けきらずにコンと何かを踏みました。振り返って見てみると死んで道路に横たわっていた猫で、彼は猫を踏んでしまったのです。

「おぃ！猫、踏んだぞ」

と、後ろから教えてあげました。

「知っているわ！」

と怒るように彼は答えました。それはそうでしょう。死んだ猫とはいえ、踏んでしまったんですから気分良いはずがありません。それから彼は近くの広場に車を止めたのです。そして水たまりを探し、タイヤを水たまりに入れ、ハンドルをクニュクニュと回し、タイヤを動かして洗っていました。後ろに乗っていた僕たちは目が点になりました。今でも、あの行動が忘れられません。

あなたが、何かを踏んだらどうしますか？やはり、水たまり行きですか。

追伸：猫は車の方に飛び出してくることがよくあります。猫の天敵は車かもしれません。そんな横たわった猫を見ると心が痛みます。交通量の多いところでは外に出せませんね。